131話 狂気 ページ36
…次の日の朝早く。私はドイツ棟ではなく、イングランド棟にいた。
「眠いー…」
『ちょ、ちょっと凪くん。ここで寝ちゃダメだって』
部屋には私と凪くんしかいない。床で寝たら風邪ひくってば…
『…ていうか何でこんな朝早くに私のこと呼んだの?』
「んー、呼んだの俺じゃない…提案したのは俺だけど」
『提案?』
「ヘイ、待たせたね」
部屋に人が入ってくる。
チームマンシャイン・Cの
ノア選手と評価を二分するストライカーであり、すごい筋肉…じゃない鋼の肉体を持つ人物だ。
会釈をすると彼は思い出したように眉をあげた。
「ああ!君か、青い監獄のスポーツドクターは。初めまして、お嬢さん。俺はクリス・プリンス」
『は、はい。存じてます…荊尾Aです、よろしくお願いします(いい筋肉…)』
握手をする。…何だろう、爽やかなイケメンって感じなんだけど、目の奥に狂気を孕んでる気がする。
ぎこちなく笑っていると、彼がじぃっと私を見ていることに気づいた。
…あれ、この目…
「随分体が薄いな。ちゃんと食べているのか」
『ヒィ…!』
「あ、ちょっと」
お腹に軽く手を当てられる。やっぱり私と“同じ人”だ…!
相手を観察、分析する目。だからってまさか触られるとは思わなかった。
「いきなり触るとかセクハラだよプリンス」
「おっと、すまんね!つい癖で」
『だ、大丈夫です。ちょっとびっくりしただけです…
(多分周りから見た私もこんな風に映ってるんだろうな…)』
コホンと咳払いをして「それで本題なんだか、」とプリンス選手が凪くんに目線を向けた。
「実は今から凪誠士郎のデータを取ろうと思ってね。そしたら彼が
“ データ取るよりAに見てもらった方が早い”って」
『…凪くん、トレーニングやるの面倒くさいから言ってない?』
「んーん、そんなことない」
口をバッテンにして首をふるふると横に振る凪くん。可愛い顔してもダメだからね?
『協力はするけどトレーニングはしようね…というかデータの方が正確なんだから』
「えー」
「じゃあまず君から見て凪誠士郎はどんな風に映っている?」
『…そうですね…凪くん…』
口元に手を当て彼のプレースタイルの記憶を呼び起こす。
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苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります! (5月10日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです!!更新頑張ってください! (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます!あなた様の小説拝見した事があります…!そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…! (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます!可愛らしいイラストですよね!作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2023年2月3日 17時