115話 一緒 ページ19
「…」
『…?あ、あれ?潔くん?』
無言な彼。…やだ、やっぱり嫌な気持ちにさせた?
親しき中にも礼儀ありって言うし、やっぱり自重するべきだったかと頭の中が考えでいっぱいになる。
「…Aって、笑った顔可愛いよな」
『うえ⁉︎』
ぽそっと呟かれた言葉。顔が熱くなるのがわかる。私を見て潔くんも無意識に呟いた自分の言葉を思い出したのか、遅れて顔が真っ赤になった。
「ご、ごめん!変なこと言った…!」
『えっと…うん。大丈夫…うん、ふふ、ありがとう?』
熱いと手をぱたぱたさせ顔を仰ぐ。そしてその手を頬に当てぎこちなく笑ってみせた。
『何か凛くんとかに暴言吐かれるのは慣れたけど、こう褒められるのは慣れない…でもお世辞でも嬉しいよ』
「…なぁ」
『ん?』
彼はえーっと…と考えた様子で頬を人差し指でかく。何だ?と首をか傾げた。
「Aってさ、凛のことどー思ってんの?」
『…え、凛くん?』
「うん、」
『うーん、凛くんには友達って思われてないっぽいしなぁ…ただアスリートととしての姿勢は誰よりもあって凄いと思う。
それに彼のプレーは惹かれるものがあるから、あの口調も態度もそのプレーの凄さからくるものだろうなとは思うよ。口だけじゃない有言実行タイプって言うの?』
ただ彼との思い出は?と言えば嫌味を言われる日々だなぁ…と乾いた笑みが出る。慣れたし今では流せるけどね。
『まぁ素直なトコもあるからそこは好きだけどね』
「じ、じゃあさ」
『うん?』
「俺のこと、どう、思ってる…?」
段々と小さくなる声に、顔を下げる潔くん。
『…潔くん?どうしたの?何か変…』
彼の顔を覗きこむ。
…下を向いた潔くんの顔は耳まで真っ赤だった。
それを見て私の心臓もドッと音を立てる。
「…」
『えっと…』
『…かっこいいと思う。試合中だといつも進化していく所とか冷静に状況判断できる所とか…
それにいつも私含めて皆のこと気にかけて優しいし…
後は潔くんがいると周りの人が変わっていこうって気になるトコが潔くんの魅力なんじゃないかなって思う…ます、はい…』
「…そか、」
彼は顔を更に赤くし、落ち着くためか深呼吸をする。な、何か私も恥ずかしい…上から目線って思われてないかな…
「ってごめん、変なこと聞いて!」
『う、うん。大丈夫だよ。私こそ上から目線でごめんね』
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苺子(プロフ) - AYさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんストレスばかりですが、日々頑張って働いてます…((キャラの心情の変化を心がけて書いているので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(о´∀`о)更新頑張ります! (5月10日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 夢主ちゃんの胃に穴が開きそう… 沢山休んで欲しい😭 あとだんだんと逆ハーになってて読むのがとても楽しいです!!更新頑張ってください! (2023年5月6日 14時) (レス) @page50 id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます!あなた様の小説拝見した事があります…!そんな人からコメントを頂けて嬉しいです🥰これからも応援よろしくお願いします…! (2023年3月17日 20時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - これは玲王様静かにブチ切れ案件っすね……☺️御曹司様はお強いですね…… (2023年3月16日 20時) (レス) @page47 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 乃愛さん» コメントありがとうございます!可愛らしいイラストですよね!作者も気に入ってます(*´꒳`*) (2023年3月14日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2023年2月3日 17時