55話 終了 ページ7
____ホイッスルが鳴り響く。開始、ではなく終了のだ。
先に5点先取した方が勝ちだが、その5点目を決めたのはTEAM WORLD FIVEのルナ選手。
汗だくの彼らを見て水分を渡すために近づく。見た限り怪我をした人はいなかった。
潔くんたちが疲れ切ってるのとは反対に、アダム・ブレイク含めたチームは全くといっていいほど息がきれていない。
『(これが世界…)』
まだ遠いのかもしれない。ただ対戦して得られるものが絶対にあったはずだ。
『潔くん、取り合えずお水。怪我はしてない?』
「あぁ…大丈夫…サンキュ」
飲み物とタオルを渡す。するとルナ選手がこちらを見ながら口を開いた。
「《俺たちの役割はあくまで査定だから。この試合の裏の目的はU-20W杯の日本代表のメンバー選考だよ》」
「《始めからキミらは負ける前提ってコトです》」
5人がすれ違い様に私の肩に手を置き、扉へと向かっていく。
「《じゃあAちゃんこの選考が全部終わったらデートしてね》」
『《えっ、》』
「オイラの観光にも付き合って」
『《いやだから私仕事が…》』
「《俺にもいい女のいる観光地教えろ。サインの礼として》」
「《俺は賭け事ができる場所ならなんでも》」
『《ええ…》』
「《アディオス才能の原石君たち》」と私の話には耳を貸さず、彼らは行ってしまう。いや私の話聞いて…
するとトントンと肩を叩かれる。横を向くとロキ選手がいた。
「《あの人達の言う事本気にしなくて大丈夫ですから》」
『《うーん、でも絵心さんからは「なるべく彼らの希望を叶えろ」って言われてるんですよね…ていうか多分デートっていう名の案内役だと思いますけど》』
ため息がでそうになっていると、不意に手を握られた。
握手の時より距離が近くて一瞬ドキッとしてしまう。
「《じゃあこれは俺の“希望”》」
『《えっと…?》』
「《俺の番号。俺ともデートして下さい》」
ズイッと顔を近づけられフッと微笑まれる。握られた手にはいつ書いたのか、電話番号の書かれた小さな紙を渡された。
『《…じ、時間があれば…》』
「《サンキューA。また2ndクリアチーム対戦時に》」
そう言ってロキ選手も行ってしまう。……電話番号貰っちゃった…
「Aちゃん〜…俺にも水〜…」
『あ!ご、ごめん!今渡す!』
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苺子(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます!隙あらば夢主ちゃんに構ってアピールする士道くんです() (2023年1月20日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - あは。もうありがとうございます。士道くん最高すぎて逝きそう (2023年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 426304659c (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです…!更新頑張ります (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 朝花さん» ご心配ありがとうございます。これからもこの小説を読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 朝花さん» 分かりました!なんかすみません🙇 (2023年1月19日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年12月25日 20時