73話 最終試合 ページ25
「…あ、潔さん。おはよっす」
待機ルームで仮眠を取っていた潔がモニタールームに入ると、人数が大幅に増えている。
それに驚き、目が一気に覚めた。
「あれ…俺結構寝てた?」
「ハイ!多分12時間ぐらい!」
「マジか…」
「で、第5試合も終盤戦で…あ、今ラストいいトコっすよ!」
画面を見れば、最前線を走るのは凛と士道。そして凛がゴールを決めた。…の、だが。
「試合終了!SCORE5-4でチームAの勝利!」
凛と士道が距離を取る。しかし何か雰囲気が変だ。試合に勝ったのに2人に喜ぶ素振りなんてない。
「…‼︎」
「ちょっ、おいおいやめろ‼︎」
「試合終わったんだよ⁉︎」
始まったのは再びの乱闘。周りが慌てて止めに入る。
「終わったから心置きなくブチ殺せるぜ…実力不足のゴミ虫野郎」
「ああ、完全に同意よ!再起不能にしてやるよ‼︎」
『ちょっと落ち着いて…!』
「(あ、A…)」
「Aさん、第1試合からずっとあの2人のこと止めてて…怪我しないか見てるこっちが冷や冷やするべ」
七星がそう言うとそれが前触れになったのか、士道の引いた肘が彼女の顔に勢いよく当たった。
それを画面越しに見ていた選手数名が小さい悲鳴をあげる。それは潔も同様。
『いっ…!』
「!A…‼︎」
肘が当たった。誰のかは分からない。
遅れて痛みがくる。そして口の中の違和感。何だ?と、押さえた掌を見ると血が付いていて、
『(ヤバ、血、)』
「あ、」
「…!」
私の血を見て2人の動きが止まる。肘がぶつかった衝撃で口の中が切れたのだ。
次の瞬間、凛くんが士道くんのことを思いっきりぶん殴った。
それが顎にでも入ったのか、殴られた士道くんはそのまま気絶してしまった。それを見て頭を抱える。
『(あー…やってしまった…)』
「わあぁぁ!Aちゃんだ、だだ大丈夫⁉︎」
「A、これ」
口を押さえていると、黒名くんがティッシュを差し出す。ありがとうの意味をこめて数回頷いた。
毎回止めていたのがバカらしく感じる…なーんで殴っちゃうかなぁ…
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苺子(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます!隙あらば夢主ちゃんに構ってアピールする士道くんです() (2023年1月20日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - あは。もうありがとうございます。士道くん最高すぎて逝きそう (2023年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 426304659c (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです…!更新頑張ります (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 朝花さん» ご心配ありがとうございます。これからもこの小説を読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 朝花さん» 分かりました!なんかすみません🙇 (2023年1月19日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年12月25日 20時