72話 ここだけの話 ページ24
「…何、玲王と話してて寝るの遅くなったの?」
『いや…私が一方的に話してただけかな。玲王くんとは話してて楽しいし』
「…ふーん?」
『(あ、ヤバい。今キモい発言したかも)』
話が合うとかならいいけど、話してて楽しいって何だ。キモいわ私、玲王くんに申し訳ない。凪くんは頬杖をつきながらこちらを見た。
「何話してたの」
『え?えーっと…』
「A、少しいいか」
言葉に悩んでいると、噂をすれば何とやら。玲王くんが現れた。
『どうしたの?』
「昨日の夜悪かったなって…朝具合悪そうだったよな?あんま寝れなかった?」
『あー…ごめん。あんな夜遅くまで起きてることなかったから…それに元々寝起き悪いんだよね、私。でも玲王くんのせいとかじゃないから気にしないで』
『でも昨日色々話せて良かったよ』と言えば彼はホッとした様子になる。
…寝起き悪いの色んな人に知られて最悪だけど…
「ねぇ、何の話?」
「ナイショ。2人だけの秘密だから。なぁA?」
『いやまぁ、私が話してただけだから…』
玲王くんに肩に腕を回される。嘘は言ってない、はず…すると凪くんが無言になったと思ったら、ぐりぐりと頭を押しつけてきた。
『いててて』
「早くテーピングして」
『はいはい…』
「あんまイジメんなよ凪」
彼は話して満足したのか背中をポンと叩いて離れていった。その間凪くんはずっとムスッとしている。
「…ねぇA」
『はいはい、なぁに?』
「俺もナイショ話したい」
『え?』
「アンタの秘密が欲しい。誰も知らない、俺とAだけの話」
スリ…と彼は軽く手の甲を触れ合わせる。それが少しくすぐったくて指先が反応した。
『秘密?…私の?』
「うん、玲王だけとかズルいじゃん」
『えー…何かあるかな…』
「誰も知らない事がいい」
『ていうか興味ある?私の話』
「ある。アンタのことなら」
『…そう?』
即答され思わず照れてしまう。にしても秘密かぁ…
『…あ、そうだ』
「?」
『耳貸して』
彼の耳に口元を近づけて話す。
『___』
「…ふぅん?」
『満足した?』
「…誰も知らない?」
『話した事はないかなぁ』
「なら満足した」
『良かった』
何を話したのか。それは2人の秘密。
1897人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺子(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます!隙あらば夢主ちゃんに構ってアピールする士道くんです() (2023年1月20日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - あは。もうありがとうございます。士道くん最高すぎて逝きそう (2023年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 426304659c (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです…!更新頑張ります (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 朝花さん» ご心配ありがとうございます。これからもこの小説を読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 朝花さん» 分かりました!なんかすみません🙇 (2023年1月19日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:苺子 | 作成日時:2022年12月25日 20時