68話 共鳴 ページ20
「お、キタキタ。ザコ
「…潔かよ」
バトルフィールドには既に凛くん、士道くん、烏くん、乙夜くんの4人が待機していた。奥からはBチームの3人も入ってくる。
「知り合いやっけ?」
「うんまぁ、元チームメイト」
「よろしくっす!」
「…フン」
「ありゃ?」
『誰に対してもあんな感じだから気にしなくていいよ…』
コソッと耳打ちをする。私もっと酷い扱い受けてるから…と考えると笑ってしまう。
そろそろ試合が始まると、フィールドの端に避け救急箱の上に座った。
救急箱と聞くと片手で持てる大きさ、と考えるだろうが私が普段使ってるのはクーラーボックス並みに大きい。もうすっかり慣れてしまったし、今ではいい相棒だ。所々には蜂楽くんや凪くんの描いた落書きがある。
足を組んで前屈みになった。
「何やAのヤツ。イラついてるん?」
「そんなAちゃんもアガる。俺の顔面見ればそのイライラも無くなる説」
「?何で?」
「顔がどタイプって言われたから」
「は?」
「おい乙夜煽んな。赤いのが今にもお前のこと殺しそうや」
「(アイツ、こんなヤツがタイプなのか?あれだけ俺のこと好きって言ってたのに…)」
『(何か千切くんに見られてる…あー、でもやっぱり可愛いなピンクの髪…好きだなぁ)』
彼に小さく手を振る。さぁ、試合開始まであと数十秒。
____
5vs.5マッチ、5点先取…先制点はチームA、士道くん。
P・A内での得点に関して彼の右に出る人物はいないんじゃないか。ただ彼は個人技が目立つ。もちろん絵心さんの言う通り点を取った人間が一番偉いのだろうが…
『(ただこのチーム、士道くんの感覚でやるプレースタイルだと…)』
「…ゴール前そこやね」
「(また凛へのパス⁉︎ダメだこのままじゃ…)」
「いや俺っしょ」
「⁉︎てめ…」
ゴール前。凛くんと士道くんの足がぶつかる。そしてその弾かれたボールは烏くんの足元へと落ち、点数を決められてしまった。
潔くんと同じで高い空間認識能力で先読みしてプレーする凛くんと、感覚で自身の最高を求める士道くんのプレー。まぁ正直な話…
「今のは俺だ‼︎」
「暴走触覚‼︎」
「邪魔下まつげ‼︎」
『(相性最悪なんだよなぁ…)』
あー…と頭を抱える。
『(何でこうなるかなぁ…)』
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苺子(プロフ) - kaedeさん» コメントありがとうございます!隙あらば夢主ちゃんに構ってアピールする士道くんです() (2023年1月20日 19時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
kaede(プロフ) - あは。もうありがとうございます。士道くん最高すぎて逝きそう (2023年1月19日 21時) (レス) @page42 id: 426304659c (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しいです…!更新頑張ります (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - 朝花さん» ご心配ありがとうございます。これからもこの小説を読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2023年1月19日 21時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 朝花さん» 分かりました!なんかすみません🙇 (2023年1月19日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年12月25日 20時