47話 世界選抜 ページ48
…私は今過去一番に感動しているかもしれない。
だって目の前に世界トッププレイヤーが5人もいるんだから。
あわよくばサインとか握手なんかも求めたり…何て少し邪なことを考えていた。
『(…とか舞い上がってたんだけどなぁ…)』
「《この子が絵心の言ってた子?随分小さいね》」
「《おっさんこんな所で手ぇ出すなよ》」
「《アホか若すぎるわ。まぁ育つ所は育ってるみたいだが》」
「《でも無免許なんでしょ。日本人って案外野蛮?》」
「《絵心はスポーツドクター見習いだって言ってたね。あと野蛮なのは絵心の方じゃない?》」
英語で話される空間。5人は興味深そうに私を見ている。こっちはこっちで引きつった笑顔をするのに必死だ。
『(……何か、思ってたのと違う)』
時間は数時間前に遡る。場所はモニター室。
『____トッププレイヤー1人につき1億円…プラス1ゴール100万円ボーナス…⁉︎』
渡された紙を握る手がプルプルと震える。頭が痛くなる数字だ。強化合宿の件は聞いていたがこれは初耳だ。
『…絵心さん。これ予算は一体どこから…』
「シャラップAちゃん。スーパースターに会える滅多にない機会だ。喜べ」
『わ、わーい…』
1億円をポンと出せるのも凄いが、確かにトッププレイヤーに会えるのも驚きだ。しかもテレビ越しではない。…サインとか欲しい、かも。
「Aちゃん英語喋れるよね」
『あ、はい一応…流暢かは分かりませんけど(昔から英会話教室とかで積極的に学んでたし…)』
「じゃあ通訳と説明よろしく。トッププレイヤーの方はもう着いてるはずだから顔合わせでもしてきて」
『いやもう通訳さん雇いましょうよ…私のこと何だと思ってるんですか…』
…そして今に至る。
緊張と嬉しさで今でも心臓が煩い。ただ会話内容を聞いてるとなーんか思ってたのと違う…いやダメダメちゃんと説明しないと。コホンと咳払いをする。
『《一応今回の説明をすると、対戦する相手チームの査定をしてもらいます。まぁ日本代表メンバーの選考ですね。ちなみにあなた方に振り込まれる給与の他に、1ゴールにつき一万ドルのボーナスが付きます。…えーっと、何かご質問は…》』
「《はい》」
『《あ、どうぞ。…ミスタールナ》』
手を挙げたのはスペイン代表レ・アールの貴公子、レオナルド・ルナ。
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます!読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします! (2023年3月18日 23時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています・・・。これからも頑張ってください!! (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります!(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます!雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…! (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺子 | 作成日時:2022年11月29日 16時