36話 ヒーロー ページ37
『士道くん、やめ…！』
手が届かない。しかしその足が誰かの腕によって防がれた。
「⁉︎」
「その辺にしとけよサイコ野郎」
『國神くん…』
その正体は國神くんだった。奥には玲王くんがおり、こちらに近寄ってきた。
「大丈夫か？A」
『あ…うん、私は大丈夫…』
「俺の心配は⁉︎」
「何？ヒーロー登場？いいじゃん。やる？俺とサッカー」
足を下ろした士道くんが相手の様子を伺っているのか数歩下がる。
「ノるかよそんな挑発…俺はAとイガグリを助けただけだ」
「え？何で？友達？ただの正義の味方？」
彼が次のアクションを起こしそうで冷や冷やする。ここでまた喧嘩に発展したら洒落にならない。
「やろーぜヒーロー。俺ほど正々堂々とサッカーを愛してる人間はいないぜ？」
「…」
「あとAちゃんのこともな」
『ぐえっ、』
グイッと肩に腕を回され、距離が近づく。そして何時ぞやのように顎を撫でられる。『うーっ…』と唸っていると玲王くんが舌打ちをした。…いやごめん。キモかったかもしれない、主に私が。
「(ベタベタしやがって、うぜぇ)
…いいぞ、乗った」
「玲王？」
「爆発だか何だか知んねーけど、こーゆー脳筋バカは力で捻じ伏せりゃしっぽ振って媚びてくるのがオチだ」
「本当にコイツが強いなら勝って仲間に引き込みゃいい」と言えば國神くんは渋々といった様子でそれを了承。不本意にもここで試合が成立してしまった。
とはいっても互いに次の対戦までにまだ時間を空けねばならない。私はその間に士道くんによって負傷した選手の手当てをしないと。
「A手伝えることあるか？…つか、その頬もしかして士道にやられたんじゃ、」
『嗚呼、違う違う！これは自分で転んだだけ。だから大丈夫』
「…何か、疲れてないか？」
ピクッと指先が反応する。嘘をついて気まずいからかうまく目が合わせられない。苦笑いをして國神くんの方を向いた。
『大丈夫。多分寝不足だと思う。…ありがとうヒーロー』
…ヒーローって、自分で言っといて恥ずかしい。彼も彼で照れくさそうに頬をかき「おう」と言った。
「何か困ってたら相談しろよ。話聞くぐらいしかできねーけど」
『ふふ、それは頼もしいなぁ。でも今は自分のこと気にして。頑張ってね』
と拳と拳をぶつけた。
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苺子(プロフ) - ぺんぺんさん» コメントありがとうございます！読んで頂き嬉しい限りです(*´꒳`*)これからもよろしくお願いします！ (2023年3月18日 23時) (
レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺん(プロフ) - 最初からとっても面白いので、ついつい熱中して呼んでしまっています･･･。これからも頑張ってください！！ (2023年3月17日 20時) (レス) @page28 id: 0923c869aa (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！今あなた様に出会えたことに感謝です((更新頑張ります！(*'▽'*) (2023年3月15日 22時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼します!もっと早く見つければ良かったです。好きです!応援してます (2023年3月14日 13時) (レス) id: 0e75ff5f17 (このIDを非表示/違反報告)
苺子(プロフ) - アレンさん» コメントありがとうございます！雪宮くんに振り回される夢主です((これからもよろしくお願いします…！ (2023年2月4日 11時) (レス) id: b537714951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺子 | 作成日時：2022年11月29日 16時
