検索窓
今日:56 hit、昨日:55 hit、合計:40,260 hit

5-8 ページ44

「血圧落ちてます」


「REBOA使おう」


「レベル1で輸血します」


「FFP、RBC、もう10単位オーダーして」


『はい




名取先生、手伝って』




葉山が何もしない名取にイラつきながら言うと


初療室を出ていった。



『、え、?』


葉山が止めようとするが、藍沢が制した。




「ほっとけ」


____________

葉山、横峯、灰谷が3人でスタッフステーションへあるいていく。




「倉田さん、安定してよかったね」



「ホント。でも骨盤骨折の診断ってやっぱ難しいのかな。名取先生なら気づけそうだけど…」



葉山と灰谷は、名取の存在に気づく。



葉山は名取と目が合うが、名取は一瞬で逸らした。



「名取先生、できるオーラ出てただけかな?」




灰谷がまずいよと横峯の腕を叩く。



「え?…あ」


奥のデスクには白石と緋山もいたが、あえて口を挟まず黙って自分の仕事を続けている。そんな2人を意識したのか、名取はわざと軽く反応して見せた。



「何?そういう顔されると、なんか俺がやらかしたって感じでイヤなんですけど」



「だって…結構まずかったよ?」


「結果、大丈夫だったからいいでしょ」


名取の言葉に、灰谷は白石と緋山の顔色を伺う。



「いや、でも…」


「まぁ、いい経験だよね。俺も落ち着いていつも通りやれば良かったんだよな。次からはそうするよ」


落ち込む自分を認めたくなくて名取は強がる。葉山はそのやり取りを名取を睨みながら見ていた。



「次はないのよ」




「はい?」


誰が言ったのかと名取は振り返り、白石と目が合うとハッとなる。




「私たち医者には次があるけど、患者さんは命を落としたらもう次はない」



白石はそういうと立ち上がり、スタッフステーションを出ていった。


「…いや、そんなのわかって___」


名取は葉山がどう思っているか、様子を伺った。




困惑する名取を葉山が睨みながら見つめている。



「あ、ごめん。怒らせちゃったね?


ていうかお前もそっち側?笑」



笑っている名取を葉山はキツくいった。



『…見損なったわ。あんたみたいな人一生医者向いてないと思うし、私たちも一緒に治療したくないんだけど』



少し笑うように葉山が言う。


名取は舌打ちをしてスタッフステーションを出ていった。


好きな子にそんなこと言われたらショックしかないだろう。

5-9→←5-7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.1/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:し る う ぁ | 作成日時:2022年7月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。