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白石side
ホットラインが鳴り、名取先生、雪村さんと共にヘリに乗る。
「レスキュー隊員は腕に変形があり、痛がっていますが意識清明____」
「こちら翔北CS、佐倉消防よりドクターヘリ要請がありました」
「こちら翔北ドクターヘリ、何か変更ですか?」
「先程の現場より1キロ南、成田川の佐倉橋水門付近にて溺れた男性が発見されました。下水道工事の作業員と思われます。意識がないとの事です」
「俺がレスキュー隊員の方に行けばいいんですね。腕の骨折だけみたいですし」
「事故現場に名取先生を降ろした後、私と雪村さんで成田川に向かいます」
「わかりました。着陸場所は追ってお知らせします」
名取先生は先に降りる。
彼に、やる気というものは見えるのか。
ここで判断される。
葉山side
白石先生と雪村さんが運んできた患者を処置する。
「これは、中々厳しそうだな」
「やれるだけやろう」
「エコー持ってきて。こっちはCV入れるよ」
「Aライン入れます」
「頭部CTオーダーして」
「瞳孔散大」
「……冴島さん、?」
みんなには聞こえてないのだろうか。
雪村さんが冴島さんに声をかける。私は一瞬2人に目をやったが、治療に集中しなければならないから患者に目を向けた。
「いいから、早くオーダーして」
「…はい」
その数秒後、初療室にワゴン等が倒れたりする音で全員がそこに目を向ける。
目線を下にすると倒れた冴島さんが。
私達も思わず手を止めた。
「冴島さん!?」
「…はるか?」
「…私が診る
まずい、娩出が始まってる」
こうして冴島さんは、緋山先生達によって処置室に運ばれた。
「お前たちは自分の仕事に集中しろ」
藍沢先生にそう言われ、はい、と言って。
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作者名:し る う ぁ | 作成日時:2022年7月27日 23時