運命か不幸か。 (ページ35)

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白石side

「どう、いけそう？」

「今見てる。」

新たに撮影された脳血管の映像がモニターに現れた。

その瞬間に、雪村さんが駆け付けてきた。

「失礼します、葉山先生っていますか？」

「あぁ。今、そこで治療してる」

「あの、すぐに伝えて欲しいんですけど」

「どうかしたの？」

「お母さんが急変しました、」

藍沢先生も思わず目を見開く。

なんで今、

「わかった。伝えておく」

「お願いします」

葉山side

「葉山、聞こえるか」

藍沢先生によばれ、「聞こえます」と返事をして。

「落ち着いて聞け。

お母さんが急変した。」

あぁ、もう本当に長くはないみたい。

「こっちは任せていいから、お母さんの所行ってきても大丈夫よ。」

『あー…、いえ、大丈夫です』

「えっ？

…そう、じゃあそのままよろしくね」

白石先生は私にそう伝えて、治療を再開した。

『これ、左頸動脈遮断出来ない、』

「手術するしかないな」

『私達に出来ることは少なくなる。横峯先生、脳外科の新海先生に連絡しておいてくれる？』

「わかった、」