運命か不幸か。 (ページ34)

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葉山side

その時に、橘先生の携帯が鳴り、藍沢先生に変わってくれないかと頼んだ。

息子さんが急変したらしく、急いで橘先生は息子さんの病室へ。名取先生、藍沢先生、雪村さんはヘリポートへ向かった。

しばらくすると、藍沢先生達が患者を連れて戻ってきた。

「北原健太郎くん、8歳。脈拍120、血圧100ー64。現場で挿管しました」

隣の初療台は橘先生の息子さんがいた。

「出血はそれほど酷くない。ファイバーだけで止血出来そうだ。」

「こっちもなんとかしなきゃ」

「血管造影ですね」

血管造影室に私、横峯先生、名取先生を始めて行き、撮影した映像を名取先生と確認していた。

「どうだ？」

「ありました。リークが見えます。やっぱり頸動脈を傷つけてますね」

「それで？」

「内シャントチューブを入れて、左頸動脈を遮断。鉄串を抜いて血管を縫合します」

「教科書通りならそうだ。」

『…仮性動脈瘤がある、まだかなり小さいけど

内シャントチューブでいけるかは首を開けてみないと分からないかも。』

「そうだ、開けないと分からない。脳血管も調べて仮性動脈瘤を切除する。鉄串を抜くにはそれしかない」

藍沢先生はそう言い、私達の判断を待つ。

「左脳に行く血液が減る、。何分くらいで遮断できんだろう？」

名取先生は私に言った。

「左右の脳を繋ぐ交通動脈の太さによる。右脳から十分に血液がもらえるなら手術の間は大丈夫だよ」

そこに、白石先生がきた。