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冴島のベッドの傍らに立つ藤川に葉山が検査結果を告げている。
「いいのに、もう指導してないんだから…」
『、いや、お世話になったので。
肺水腫は軽度ですが、脳実質の腫れが強くて…』
「植物状態になる可能性もあるって事だろ？」
『、、はい、』
「なんでだろうな、今日に限って全部青だったんだよ。
信号、車で通勤してる道の。俺たちその時間だけなんだよ。2人だけで落ち着いて話せるの。
だから今日、話そうと思ってたんだよ。そこで。なのに今日に限って全部青信号でさ。スイスイ行けちゃうんだよ。どう切り出そうって思っているうちに病院着いちゃって…1つでも、どっかが赤だったら、俺、言えてたと思うんだ。
お腹の子のためにヘリを降りて欲しいって。」
苦悩する藤川に、葉山はかける言葉が見つからず、今はそっとしておこうとしか思えなかった。
『…失礼します、あまり、無理しないでください』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
葉山が歩いていると、秋本さんが奥さんと揉めていた。
葉山は面倒くさそうに横を通り過ぎていくと、バタン、と音がした。
『…え？』
「秋本さん、飛び降りたって？」
「奥さんの目の前で」
藍沢かわ初療室に駆け込むと、既に白石と緋山、そしてフェロー達によって処置が始まっていた。
『大量出血してて、かなり溜まってます』
葉山の声に白石が応える。
「オペ室までもたないかも」
「誰かもう1人オペ入って
メガネ！」
「は、はい、」
「心停止しそうになったらすぐに言ってくれ」
「わかった」
「吸引が間に合いません、」
「手でやるの」
と緋山は自分の両手を腹に突っ込み、叫んだ。
「早くかきだして！」
「あった…肝臓の破裂だ。」
「他に出血源はないか？」
『…小腸も、やってます』
葉山はモニターで状態を確認し、藍沢に伝える。
「肝門部を遮断する。サテンスキー！」
「…ダメだな、出血が抑えられない」
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作者名：し る う ぁ | 作成日時：2022年7月27日 23時
