運命か不幸か。 (ページ27)

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命と、その人が命よりも大切だと思っているもの___。

どちらかを選ばなければならない。なかには命を捨ててでも大切なものを選びたいと望む人もいる。

それでも、医者は命を優先する。

『____え？』

葉山がエレベーターに乗ろうとすると、横峯が追いかけてきて一緒に乗り込む。

「あーいた！葉山先生ー！」

『え、なになに』

横峯は喜びながら葉山に言う。

「指導医、交代したって！」

『え？どこと？』

「だーかーら！藍沢先生と藤川先生！

これからは葉山先生の指導を藍沢先生がしてくれるんだって！それで私が、藤川先生に指導してもらうの」

葉山は驚いていた。

『へぇ、。そうなんだ。でもなんで急に？』

「なんか白石先生が橘先生に言ってくれたらしい！ほんとに感謝なんだけど！」

『昨日褒められてたくせに？』

「それとこれは違うでしょ？」

「おはようございます」

「『おはよう』」

雪村とすれ違いで挨拶をし、2人は医局へ入ろうとすると名取も合流した。

「お前ら今来たの？」

「そっちこそ

あれ？今日のヘリ担当名取先生？」

「おかげさまで干されてんだよこっちは」

と言い3人で医局へ入る。

すると突然、「おはようございます！」と大声で言ってきた。

『おぉ、、』

「また随分早いねー」

「今日、僕、ヘリ担当なんで」

と名取に返した灰谷は既にフライトスーツを身につけている。

「お前、緊張しすぎだよ」

「また吐くよ？」

「いやっ、今回は大丈夫かも、」

灰谷を見て葉山は呆れていた。

「そういえばお前ら知ってる？藍沢先生か脳外科の新海先生、どっちかが年明けにトロント行くんだってよ」

名取はそう言った。

「へぇ、！やっ『横峯先生、それはダメ』」

葉山は横峯に注意する。

「でも藍沢先生って救命医だよね？脳外科？」

「掛け持ちしてんじゃね？」

「憧れるね、そういうの」

『新海先生と藍沢先生だったら絶対藍沢先生がトロント行きそうだけど、。

え、また指導医変わるの？もう疲れるよ』

「お前、今の顔ひど」

『はぁ、、』

「葉山先生って指導医いらないと思うんだけど、」

『それはどういう意味？』

「あっ、いやっ、そういう意味じゃないんだけど……い、いい意味でね？」

『はぁ、』

オドオドする灰谷を見て葉山はまた呆れている。