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『親の心、子知らず』
ということわざがある。
確かにそうだ。
親にはなっていないけど、今はその心がすごく理解出来る。
毎日思うから。
教える者の気持ちを、教わる者はわかってくれているのだろうかと。
そんなの胡散臭い。
大して世話もしてなかった人が何故現れるんだろう。
貴方のそんな姿、初めて見たよ。
葉山side
「吐いたぁ？」
「そ。よりによってヘリん中で。灰谷だけに吐いたーなんつってな。」
「笑えない…で、どしたの」
「飴あげたよ。たまたま持ってたから、んで遠く見てろーって」
灰谷先生の話をする緋山先生と藤川先生。
吐いちゃったらしい。本人も言ってた。
私今日横峯先生にフライト前に飴あげちゃったんだけど、。
乗り物酔いしそうって言うから毎日持ち歩いてる飴をあげた。
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【ドクターヘリ、エンジンスタート】
「どうしよ…」
「何お前、緊張してんの？」
「乗り物酔いしそう…灰谷先生みたいに」
「灰谷先生も緊張して酔って吐いたみたいですよね」
雪村さんがそう灰谷先生に圧をかける。
「えっ、あっ」
「大丈夫だろ。灰谷は臆病者なだけ。お前は違うだろ」
「そうかな、、」
『横峯先生、これあげる』
私があげたのは、飴だった。
「え？飴？」
『うん、多分それ乗り物酔いした時に効くよ。まぁ、フライト中だから辞めといた方がいいけど、』
「横峯先生、藍沢先生が待ってますよ」
「ありがとう葉山先生、行ってくるね！」
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「宮本望海さん、17歳。呼吸、循環とも安定してます。妊娠15週です」
「気持ち悪い…」
と言いながら横峯先生は遅れて来た。
「大丈夫？」
「すみません、大丈夫です」
「乗り物酔いするやつがフライとドクターになろうとか、どうかしてるな」
藍沢先生が横峯先生をバカにするように言う。
「ファーストミッションで緊張するのは当たり前よ。どうしてそんな言い方するかな」
白石先生は横峯先生をフォローする。
だけど藍沢先生は、
「足関節の開放骨折だ。洗浄の準備」
「聞いてないし」
案の定、聞いてなかった。
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横峯side
やっぱり藍沢先生苦手…
「雪村さん助けてよ」
「は？やだよ」
「なんで！！？ほんっとに藍沢先生私たちに厳しすぎじゃない！？」
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作者名：し る う ぁ | 作成日時：2022年7月27日 23時
