1ｰ7 ページ11
救命処置を終えた患者を乗せたストレッチャーを白石と藍沢が押している。
「助かった。ありがとう」
「フェローは1人除いてみんなあんな感じなのか
あれならまだそこそこ経験を積んだナースの方が使えるな。」
「1人除いてって…海宙ちゃん？」
「海宙？」
藍沢は葉山がフェローだということには気づいていなかった。
「葉山海宙ちゃん、藍沢先生が救命で最後に見続けた患者。フェローとしてここに来たの」
「そうか」
「…でも他のフェローは沢山育てなきゃ。救命を回していくには、今は彼らを育てるしかないから」
「育つ前に患者が死ぬな」
「え？」
「いや、悪い。部外者が余計なこと言った。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この日、7度目のホットラインが告げたのはかなり大規模な事故だった。
「かずさ七夕祭り」
で山車が横転し、民家へと突っ込んだのだ。負傷者多数だが詳細は不明。
白石、緋山、冴島でヘリに乗り
藤川、葉山、名取
灰谷、横峯、雪村の順で来て、と告げた。
商店街近くの空き地に再びドクターヘリが着陸した。藤川とともに降り立ったのは先程の葉山と名取だ。
そこから横峯達も合流した。
「すげぇな…」
名取は声音を抑えて呟いた。
立ちすくんでいるフェロー達に、落ち着いた声で藤川が言った。
「行くよ」
名取が緋山のフォローしに行き、藤川は横峯と葉山に指示を出した。
「君は1ブロック先のスーパーの駐車場にいる軽症の人達を見てきて。状態が悪化してる人がいたら上の先生を読んで
葉山は、白石のフォローに入って。そこ曲がったらいるから」
「わかりました」
『はい』
横峯が民家の家の前を過ぎようとしたとき、中から消防隊員がでてきた。
「先生、けが人です！家の中です。安全確認ができたので、中、お願いします！」
「え…いや…でも…」
横峯は困ったように藤川の方に目をやる。
「早く！こちらです！」
迫力に押され、「わ、わかりました」と横峯は消防隊員について行く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：し る う ぁ | 作成日時：2022年7月27日 23時
