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夜中、ふと目が覚めると、かすかに聞こえるアコギの音色。
(あ、章ちゃん帰って来てるんだ…)とぼんやり考えながら、携帯を確認すると午前3時。
(もう、また夜更かししてるんだから…)と1人ごちて、そっとベッドから降りてダイニングに向かう。
｢章ちゃんおかえりー｣
『A、ただいまー。
ごめん、起こしてもうたなー』
｢ううん、トイレ行きたくなって目が覚めちゃった！｣
『そか、ならよかったわー』
そんな会話をしながら、キッチンであったかいお茶を淹れる。
｢章ちゃんもお茶のむー？｣
『そやな、もらうわー』
｢はぁーい｣
ゆるゆるとした会話をしながら、章ちゃんを観察。
ポロンポロンとギターを奏でながら、時々鼻歌うたってて、すっかりリラックスモード。
よし、今日は曲が降りてきてるわけじゃないみたい。
そして多分、何か作らなきゃいけないわけでもなさそう。
今日は散々考えて思いついた、早く寝てもらうための作戦を実行する日ね。
観察しながらあれこれ考えてたら、あっという間に茶葉が開いて、うん。いい感じ。
お気に入りのマグに注いで、章ちゃんの元へ。
｢はい、熱いよー｣
『ありがとー、いただきます』
2人でフーフーしながら飲んで、他愛もない会話をする。
今日、お互いのお仕事中にあったおもしろエピソード。テレビで見たこと。章ちゃんの飼っているペットのこと。
話してたら2人とも、あっという間にコップの中は空っぽになってた。
｢章ちゃんおかわりいるー？｣
『もうええわ、ありがと』
｢んじゃ、マグ片すね｣
マグを片付けて、章ちゃんをチラリと見ると、まだポロンポロン鳴らしてる。
この作戦は、私のキャラじゃないけど。
でも、うん。………女は度胸よ！
｢章ちゃん…、もう寝れる？腕まくらして欲しいな…？｣
と(自分なりに)かわいくおねだりしたら、
『ふはっ、ええよー。ギター片して行くから、先に行っといてー？』
｢はぁーい！待ってるねー！｣
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作者名：こぴ | 作成日時：2021年9月11日 0時
