覚める ページ16
最初に涼介の耳に聞こえてきたのは、愚痴だった。
？「もぅ....これぇ。何なのよぉ〜」
あぁ。こりゃ先生だな。
目もまだ開けてなかった涼介は、先生のわかりやすい声で意識をしっかりと取り戻し、目を開けた。
ゆっくりと辺りを見回し、ここが病院だと言うことを自力で理解する。
何故先生が教えてくれなかったのかと言うと....
先「もぅ何なのよこのゲーム！全然反応しないじゃ無い！」
山「・・・」
先「あぁー！もぅ！もぅ一回！」
山「先生....？」
先「ごめんちょっと今手離せない」
この有様である。
山「苦笑」
しかし、若干気づいてもらうのを諦めてたら不意に、先生と目が合った。
先「えっ....涼介？」
山「あ、おはよう....ございます？」
先「・・・」
山「・・・？」
先「えっ⁉起きた！起きた？え⁉嘘⁉ち、ちょっとお医者さん呼んでくる！え〜！」
気づいて早々先生は慌てまくって結局ろくに話もせず、どこかへ行ってしまった。
だから、どうやって自分が病院に来たのかも結局わからないままだ。
山「何なんだよw」
ふぅ、と一息して窓側を見ると雨が降っていた。
そう、涼介が病院にいるのはあの爆発に巻き込まれたからだ。
侑李とAのいる場所をようやく見つけ、これから助けようとした時に急に起きた爆発。
しかもその時、岡本は侑李の見えるガラスの壁にいたのだ。
Aのところにいた涼介はなぜこの爆発が起きたのか全く分からない。
山「あっ！そう言えば！」
侑李達は、と言いかけた時に隣のカーテンが開いた。
？「ようやく起きたね、りょーすけ」
山「あ！」
隣で寝ていたのは、侑李だった。
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作者名：甘菓子 | 作成日時：2016年9月14日 20時
