▼ ページ5
.
過去:
ヨルは一般人と元才人の間に生まれた。一般人である父、詩の部門を専攻して活躍していた元才人である母。それに加えて、5歳年下の妹がいた。家族仲は良好でとても仲のいい家族だった。ヨルも家族が大好きでとても大切だった。
母が父と出会ったのはちょうど彼女が才人を辞め、一般人として生活を始めた頃。特別な運命の出会いなんかでは無くただの偶然の出会いだった。それから中を深めていき結婚までに至った。
しかし、父は結婚する前から母に隠していたことがあった。それは父が裏図書館に隠れてと通い、文字に触れることを楽しみとしていたこと。月に1度行くか行かないか位の頻度だったが、父にとっては大切な時間だった。
母は昔から「言葉は一般人の手にも渡ると堕落してしまう。本当にその通り。一定以上の持っている人だけが触れられるという考え方がないと、人の向上心を引き出すことは出来ない。」という自論を持っていた。反対に父は「全ての人間が、平等に、文字に触れられる世界であるべき。きっと言葉を大切に思っている人も沢山いる。だからこそ、政府のやり方には反対する。」という考え方をしていた。しかし、お互いにその考えをを知ることはなく、一般人と同じような生活をしていた。
父と母は娘2人に対立している2人の考えをしっかり伝えた。父と母は自分たちの自論をお互いに知らなかったので驚いていたようだった。まだ幼い娘2人にはよく分からなかったが、その時のヨルは何となく母の意見の方が共感できた気がした。
父と母はお互いを大切に思い、価値観が違くても一緒にいようと、大切な娘2人共に生活し続けた。ヨルにとっては本当に幸せな家庭だった。
母は1度だけ言葉についてヨルに教えてくれたことがあった。「お母さんは、言葉を使って詩を作ってたの。そのままの言葉だけじゃなくて、あえて伝わりずらくしたり、遠回しに伝えたりするの。もっとその言葉や景色が読んでいる人に美しく見えるように。」様々な説明を聞いていくうちに、ヨルは密かに、母に、才人に憧れを持つようになった。
父が隠れて裏図書館に行っているのも、ヨルと妹は気付いていた。子供の好奇心と探求心は果てしないのか、月に1度母に隠れてどこかに出かける父を追いかけたりしていたようだ。それを父に言うと父は観念したように少しだけ裏図書館について教えてくれた。妹は楽しそうに話を聞いていたが、ヨルにはあまり理解できない考え方も少なくなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和椛 湊(プロフ) - 林檎飴さん» 了解致しました！お手数をおかけ致します…！ (2020年7月14日 21時) (
レス) id: 4b9dcac783 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - 和椛 湊さん» わかりました！では、私がボードの方にお伺いしますね！ (2020年7月14日 21時) (レス) id: dc13a83d8d (このIDを非表示/違反報告)
和椛 湊(プロフ) - 林檎飴さん» はじめまして！お声かけありがとうございます。ぜひぜひ組ませていただきたいです…！ここではチャットになってしまうので、林林檎さんのボードか私のボードで相談しませんか？ (2020年7月14日 21時) (レス) id: 4b9dcac783 (このIDを非表示/違反報告)
林檎飴(プロフ) - こんばんは。アキノ班、ミズシマ シズクで参加している林檎飴と申します。よろしければ関係を結んで頂けませんか？ (2020年7月13日 22時) (レス) id: f152a83cb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
