207 ページ7
奮闘したものの結果は惜しくも2位だったらしく。
足に結びつけた鉢巻を解きながら。
A「1位ってどこだったの?」
カレン「赤団らしいよ。」
・
・
・
・
よく見れば、向こうの席は歓喜の声で賑わっていた。
カレン「ごめん、Aちゃん。私委員の仕事あるから…」
A「あ、そっか…わかった。頑張って!」
カレンちゃんが本部に向かって行くのを見て、応援席に戻ろうとしたけどやめた。
・
・
・
・
応援席は日を遮るものがなくて暑いし、皆動き回ってるから日陰にいても怒られないでしょ。
A「…暑い…」
クラクラするのは暑さのせいか、それともまた貧血が起きてるのか。
人通りの少ない倉庫裏に座り込んで、パタパタと手で仰いでいるとやってきた。
・
・
・
・
A「あ。」
涼介「サボり?」
A「サボりじゃなくて休憩。」
涼介「…あっそ。」
・
・
・
・
涼介「…あ、お前さあ……」
お前さあ、まで言いかけて堪え切れないように笑い出す涼介。
A「な、なに?!感じ悪い!」
急に笑われてもイラっとくるだけでしょ!
・
・
・
・
フェンスに寄りかかった涼介がクック、と喉を鳴らす。
涼介「玉入れ下手すぎ。」
A「え、うそ、見てたの?!」
まあ確かに玉入れの下手さは否定できないけど!
・
・
・
・
A「あれはっ…仕方がないっていうか…」
涼介「1個しか入ってねえし。(笑)」
…ちゃんとしっかり見てんな…。
A「…も、そんな笑うことないじゃん!」
・
・
・
・
言い返そうとしたら、どこからかはしゃぐ声に口を紡ぐ。
ふたりでいることがバレたら大変だ。
倉庫から少し顔を出すと、楽しそうに写真を撮っているカップル。
…彼らはきっと2人の世界に入り込んでるから私たちに気づくこともないだろう。
・
・
・
・
A「…いいなぁ。」
実を言えば羨ましいと思わないわけがない。
付き合ってる人がいる。
涼介が彼氏だと言ってしまいたいと思う時は何度もある。
・
・
・
・
そうしたら、こんな風に人気のないところで会わずに済むのに。
・
・
・
1726人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めがねっこ(プロフ) - 次から次へと…主人公ちゃんの入院中のことも気になりますが何より伊樹先輩が涼介くんに何を言ったのかも気になる…お見舞いに来なかったのもなにか関係あるのかなあなんて1人でもやもやしてます(笑)あと裕翔くんも何か言いかけた…気になりすぎます!! (2017年11月3日 1時) (レス) id: f984b0844c (このIDを非表示/違反報告)
すけさん。(プロフ) - 気になる気になる。入院している間に何が起こってたの?!!模試頑張ってください!^ ^ (2017年11月3日 0時) (レス) id: 030895ae91 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 輝莉花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきえさん» ありがとうございます! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
輝莉花(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!無理せずつ頑張ってなください! (2017年11月1日 17時) (レス) id: efaf790b25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2017年9月2日 9時