イン・ザ・ショコラ 5th *Ryosuke.Y*

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「見て！黄団の団旗超かっこいい！！」


「えー？青団の龍のがいいよ？」


「何言ってんの？やっぱ赤団でしょ。」


パタパタ、と天を仰ぐ各団の旗。

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3年生が中心となって作られた団旗は注目の的。


やっぱりここでも群を抜いて目立っている。


“電光石火”とでかでかと書かれた赤団の団旗が持て囃される理由なんて、


旗の出来どうこう以前の問題で。

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「赤団うらやましい〜！」


「山田先輩と有岡先輩がいるなんてずるすぎる…」


校内ツートップが揃いも揃ったのは赤団。


皆がそれを羨むのは無理もないって話。

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くじ引きの結果、私のクラスは桃団で、涼介のいる赤団には縁もなく。


配布された桃色のTシャツを着て、体育祭を迎える。


A「うちの団旗は？」


カレン「…今立てられてる。」

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桜咲き乱れる可憐なピンクの団旗には“百花繚乱”。


カレン「なんかドキドキする。」


A「ふふ、がんばろ！」


緩く巻いたふたつに結った髪が揺れる。

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開会式の選手宣誓が終われば、早速体育祭がスタートした。


障害物競争から始まり、自分の出る番までは応援席で待機。


可愛く彩った持参のメガホンで写真を撮っていたり、色々立ち回っていて。


…高校って自由なんだな。

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私はカレンちゃんが隣にいるから出歩くこともないけど。


カレン「次は…玉入れだって。」


プログラムを広げながら確認する。


A「じゃあ、出番だ。」

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侑李「A、全然入ってなかったよ。」


A「…1個しか入らなかった…」


裕翔「いや、入ったんでしょ？すごいよ！」


玉入れの競技は秒で過ぎ、応援席に戻るとあーだこーだと言われる。

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玉入れの籠ってあんな高い位置にあったっけ？


あんなの入るわけなくない？


なんて終わった競技のことはもういいとして。


「1年生ー！全員全脚の準備ー！」

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学年主任の掛け声で円陣を組んでる団もあれば、最後まで練習してる団もある。


カレン「Aちゃん、鉢巻ある？」


A「ちゃんとあるよ！」

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