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伊樹 side
憎悪、嫉み、妬み、恨み
そんな汚い感情が溢れかえるようになったのは私のせいじゃない。
こんな風になったのは私のせいじゃない。
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覚えてるのは知らない大人が私を囲んだ。
“もう大丈夫だよ”なんて言って伸ばされた手にひどく怯えた。
また叩かれる。
そんな恐怖に潰されそうになったのはあれが最後。
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叩かれるなんてそんな可愛いもんじゃなくて。
4歳の私を容赦なく殴ったあの父親。
泣いて縋った私をゴミでも見るかのような視線を浴びせた母親。
そんなふたりから生まれたのだから性格がこんなひん曲がってたってしょうがないだろう。
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「今日からここが伊樹ちゃんのお家だよ。」
知らない大人は警察の人たちで、新たに大きな施設に預けられた。
あらゆる理由で親がいない子達がたくさんいて。
家からろくに出してもらえなかったのもあって、同年代の子にあったのもあの時が初めて。
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年上の人は、…特に男の人は怖くて仕方がなかったし、女の人も優しく笑いかけてくれても。
何をされても悪夢が蘇るようだった。
遊ぼう、なんて言って寄ってくる子達に返事もせず隅に座っていた。
…ここでは怒らせないようにしよう。大人しくいい子にしてたら、殴られないで済む。
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「…お前、誰だよ。」
伊樹「……。」
私より身長は小さかったくせに、やけに威張っていた。
「どっから来た?てゆーかそこ俺の陣地。」
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伊樹「……。」
俺の陣地って…じゃあ私はどこにいればいいの?
勝手にこんなとこ連れてこられて、ビクビク毎日怯えて、どうすればいいの?
「なに、お前。喋れねえの?つまんねえやつー。」
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「こらー!またそんなこと言って…涼介くん!」
涼介「げっ!」
「仲良くしなきゃダメでしょー?!」
施設の女の人に怒られてるのに叩かれてない。
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涼介「だってこいつ喋んないしさー。」
あの時は涼介はうざいくらい話しかけて来たのに。
私じゃない。
…なんてこと、どうせ忘れてるんでしょ。
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めがねっこ(プロフ) - 次から次へと…主人公ちゃんの入院中のことも気になりますが何より伊樹先輩が涼介くんに何を言ったのかも気になる…お見舞いに来なかったのもなにか関係あるのかなあなんて1人でもやもやしてます(笑)あと裕翔くんも何か言いかけた…気になりすぎます!! (2017年11月3日 1時) (レス) id: f984b0844c (このIDを非表示/違反報告)
すけさん。(プロフ) - 気になる気になる。入院している間に何が起こってたの?!!模試頑張ってください!^ ^ (2017年11月3日 0時) (レス) id: 030895ae91 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 輝莉花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきえさん» ありがとうございます! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
輝莉花(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!無理せずつ頑張ってなください! (2017年11月1日 17時) (レス) id: efaf790b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2017年9月2日 9時