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A「…なに、どういう…、」
切れることなく震えるスマホを眺めたまま。
ディスプレイに“涼介”の文字。
涼介からかかってきてるってこと…?
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…家にいるんだから直接言えばいいのに。
間違ってかけてるとか?
A「涼介っ…て、もういないし。」
涼介の部屋は真っ暗で、もう一階に降りちゃってるんだろう。
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なに?下着持って来いとか言わないよね?
まだ鳴り続けるスマホを取って耳に当てた。
A「ちょっと!どういう…」
《あ、出た。》
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A「え…」
電話だと余計に聞き取り辛く感じるハスキーボイスが耳にへばりつく。
《なんで私が持ってるの、って思ってる?》
A「…伊樹先輩ですよね?その声。」
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伊樹《そう。今涼介の携帯からかけてるの。》
…なんで。どうして。そんなの先輩に言われなくても疑問でしかないよ。
伊樹《…涼介今いないの?》
A「…今は、…」
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っていうか、なんで私にかけてくるの?
伊樹《きっと携帯探してるだろうから電話かけたんだけど…、じゃあ、Aちゃん取りに来てくれない?》
A「…え、」
今から?…なんで私が。
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でもだからって涼介が取りに行くのを安心して送り出せるような気もさらさらない。
伊樹《駅前のカラオケにいるから。》
A「え、あのっ…!」
それだけ言ってブツ、と切られた。
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なにも持たずに家を飛び出した。
家に出てから気づいたけど、家の鍵もかけてないし自分のスマホもプラグに差し込んだまま。
財布ももちろん持ってない。
このまま伊樹先輩に会ったらなにを言われるか…
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聞いたら後悔するくせに、気になって仕方がないからどうしようもない。
とりあえず駅前のカラオケまで走った。
なんでかその場所を聞いたとき胸がざわついた。
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…空がどんよりとしているように感じるのは私の心を表してるからか。
独特な匂いが鼻を掠めた。
明日の天気は…一日中雨だったかな。
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めがねっこ(プロフ) - 次から次へと…主人公ちゃんの入院中のことも気になりますが何より伊樹先輩が涼介くんに何を言ったのかも気になる…お見舞いに来なかったのもなにか関係あるのかなあなんて1人でもやもやしてます(笑)あと裕翔くんも何か言いかけた…気になりすぎます!! (2017年11月3日 1時) (レス) id: f984b0844c (このIDを非表示/違反報告)
すけさん。(プロフ) - 気になる気になる。入院している間に何が起こってたの?!!模試頑張ってください!^ ^ (2017年11月3日 0時) (レス) id: 030895ae91 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 輝莉花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきえさん» ありがとうございます! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
輝莉花(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!無理せずつ頑張ってなください! (2017年11月1日 17時) (レス) id: efaf790b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2017年9月2日 9時