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逃げないように掴まれた腕が締め付けられた。
…なんで?
A「…なんで、そんなこと聞くの?」
私の投げかけた質問には返ってこなかったけど。
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それは私を気にして言ってるの?
それとも…
A「…いらない、…って。」
本当に気にかけてるのは先輩の方?
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A「伊樹先輩は、…涼介以外いらないんだって…」
それは家族も友達も見放してのことだろう。
涼介さえいれば、他は何もいらない。
伊樹先輩は私にそう言った。
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涼介がそばにいてくれないなら、死んだ方がマシ。
それでも私には皮肉にもそう聞こえたよ。
涼介「…そんなこと言ったのかよ。」
する…と解けた腕が解放された。
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涼介「…それがあいつの望みなら、」
A「…っ、」
私のバカみたいな嫉妬心を知られたくなくて、涼介に嫌われたくなくて。
それより、こうなってしまうのがいちばん怖くて恐れていたのかもしれない。
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涼介「俺は伊樹のそばにいる。」
なんで…?
A「…うん。」
そんなの…卑怯だよ…
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ずるい。ずるいずるい。
先に言ったもん勝ちなの?
A「やだ…、」
どうしてそんな簡単に離れて行っちゃうの?
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A「そんなの嫌だ……私だって…!」
涼介「私だって?」
A「え…、」
目尻に溜まった涙が一筋垂れたのに、涼介は左の口角を上げた。
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涼介「伊樹のとこなんて行かねえよ。バーカ。」
A「っ、また、騙した…!」
ガシ、と片手で掴まれた頭が雑に撫でられた。
涼介「あ?簡単に騙されてんじゃねえよ。」
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A「本当にっ…行っちゃうかと…」
いつもなら反撃するけど、言い返せないほど本気で信じた私に涼介は今度は優しく撫でてくれた。
涼介「お前がいんのにあいつのとこなんか行くかよ。」
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めがねっこ(プロフ) - 次から次へと…主人公ちゃんの入院中のことも気になりますが何より伊樹先輩が涼介くんに何を言ったのかも気になる…お見舞いに来なかったのもなにか関係あるのかなあなんて1人でもやもやしてます(笑)あと裕翔くんも何か言いかけた…気になりすぎます!! (2017年11月3日 1時) (レス) id: f984b0844c (このIDを非表示/違反報告)
すけさん。(プロフ) - 気になる気になる。入院している間に何が起こってたの?!!模試頑張ってください!^ ^ (2017年11月3日 0時) (レス) id: 030895ae91 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 輝莉花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきえさん» ありがとうございます! (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
輝莉花(プロフ) - 続きめっちゃ気になります!無理せずつ頑張ってなください! (2017年11月1日 17時) (レス) id: efaf790b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2017年9月2日 9時