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「あ、Aおかえり！」
「…あれ？鉢巻は？」
放心状態でグラウンドに戻ったら、もう練習が始まっていた。
A「あ…なんか、家に忘れてきたみたい。」
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教室まで辿り着く事もないまま、当然鉢巻なんて取りに行けず終い。
鞄の中で眠る鉢巻を忘れた程にして、端の方で見学することになった。
…暑い。ジリジリと日差しが容赦ない。
熱い。目頭がじわじわと熱を呼び起こす。
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…こんなとこで泣けない。
泣くな泣くなと思えば思うほど、泣きそうになる。
絶対嫌だ。…絶対言わない。
別れるなんて、私が言うわけがない。
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零れ落ちそうになった涙を隠すように膝に顔を埋めた。
ジャリ、と靴が砂を踏む。
顔を上げれば、練習が終わったようだった。
戻ろうと立ち上がると、目の前が一瞬で真っ白に染まる。
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A「…っ、」
…熱中症？…貧血かな。急に立ったから…
裕翔「大丈夫？！」
しゃがんだ私の目線に合うように裕翔も屈んで。
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A「…裕翔…」
走ってきてくれたのか息を切らした裕翔が心配そうに覗き込んでくる。
裕翔「具合悪い？」
A「ありがとう。…大丈夫。」
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裕翔「ほんとに保健室行かなくていいの？」
A「心配しすぎだよ。大丈夫だって。(笑)」
多分軽い貧血だし。もうあと帰るだけだし。
裕翔「帰り送ってこうか？」
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A「ううん。1人で帰れる。」
着替えて終礼を終えて、家路を急いだ。
誰にも会いたくなかったし、誰とも話したくもなかった。
いちばん、涼介には会いたくないのに。
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義理兄妹じゃなかったら、こんな思いしなくて済んだのかな。
じゃなかったら…どうせ話すことさえなかっただろう。
皆と同じように遠巻きに涼介を見て、キャーキャー騒いでいたかもしれない。
伊樹先輩と涼介を見て、きっと簡単に諦めるだろう。
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所詮、そんなもの。
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めがねっこ(プロフ) - 次から次へと…主人公ちゃんの入院中のことも気になりますが何より伊樹先輩が涼介くんに何を言ったのかも気になる…お見舞いに来なかったのもなにか関係あるのかなあなんて１人でもやもやしてます(笑)あと裕翔くんも何か言いかけた…気になりすぎます！！ (2017年11月3日 1時) (
レス) id: f984b0844c (このIDを非表示/違反報告)
すけさん。(プロフ) - 気になる気になる。入院している間に何が起こってたの？！！模試頑張ってください！^ ^ (2017年11月3日 0時) (レス) id: 030895ae91 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - 輝莉花さん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ゆきえさん» ありがとうございます！ (2017年11月2日 17時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
輝莉花(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！無理せずつ頑張ってなください！ (2017年11月1日 17時) (レス) id: efaf790b25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2017年9月2日 9時
