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今日の殺せんせーの顔は1段と大きかった。
むくむというか、はれているというか。大きかった。
「はい、みなさんホームルームをはじめます
席についてください」
誰もこれについて言及しないと思っていたが、
律が真っ先にその声を上げた。
「殺せんせー
33パーセント程巨大化した頭部についての説明を」
「水分を吸ってふやけました」
自分の顔をしぼりながら殺せんせーはそう言った。
床にぽたぽたと水が垂れる。
今日は朝から雨が降っていてじめっとした日だった。
「さて、烏丸先生から転校生が来ると聞いていますね」
「ぶっちゃけ殺し屋っしょ」
中学校への転入生と言ったらきゃっきゃ騒ぐものではないのか。
このクラスの人たちの対応力は格段に上がっていると思う。
律によるとその転入生は
律がその転入生のサポートに力不足であり劣っていたため、転入時期が変更になったらしい。
ということは律よりも凄いのが来る。
少し身構えていると教室の扉が開く。
教室がざわついた。
「何、あの格好」
「あれが転入生？」
白装束をきた背の高いその人は袖から鳩を出す。
キャラが濃すぎてなにも掴めない。
「ごめんごめん、驚かせたね
私は転入生じゃないよ」
そりゃあいきなり白装束で袖から鳩を出す人を相手に驚かないなんて人はいない。
例外と言ったらカルマくんとか殺せんせー、みたいな異端児。
「私は保護者、まぁ見た目もこの通りだからシロとでも呼んでくれ」
保護者が自己紹介する必要があるのか。
そんな疑問はさておき殺せんせーの姿が見えない。
「うわっ、ビビってんじゃねーよ殺せんせー！」
その声の方向に目を向けると液化したせんせーが隅に追いやられていた。
「いやぁ、律さんがおっかない話をするもので！」
噂ごときでびびる先生でも殺せないのが悔しい。
「初めましてシロさん。それで肝心の転入生は？」
シロさんの話によると特殊な子らしい。
私からすればE組の人たちも当たり前のように銃を使う特殊な子達だ。
シロさんは教室をぐるりと見回す。
そして私と目が合うと白装束の中の彼の目がにこりと笑ったように見えた。
「いや、みんないい子そうですな。これならあの子も馴染みやすそうだ
では、紹介します。おーい、イトナ。入っておいで」
私たちはシロさんの後ろに注意を注いだ。
だが後ろから壁が崩れる音がして
「俺は勝った
教室の壁より強いことが証明された」
予想を上回る特殊な子だった。
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作者名：抹茶 | 作成日時：2018年11月18日 2時
