今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:29,753 hit
小｜中｜大
18 ページ18
.
みんなが下校したE組の古びた校舎。
私は一人残って自律思考固定砲台さんを見つめる。
夕焼けに染まり、黒い塊は寂しそうにそこに佇む。
「おや、まだ残っていたんですか」
ぷにぷに、と人間らしからぬ足音を立てながら殺せんせーが教室に入ってきた。
正直未だにこの人とふたりきりは怖い。
「はい、もう帰ります」
私は机にかかる鞄を手に取って彼の横を横切る。
「空木さん、このクラスはどうですか」
私は足を止めた。
そして振り向いて答える。
「楽しいです」
それはもちろん本心なんかではなかった。
退屈だ。
怖い。
なんてことを言えば彼にいらぬ心配をかけてしまう。
私の答えから一つ間を置いて、そうですか。
という声が返ってきた。
「道草を食わずに真っ直ぐお家へ帰るんですよ」
小学生の頃のように先生にそう言われて私は寄り道をせずに帰路へとついた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：抹茶 | 作成日時：2018年11月18日 2時
