〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】8

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仙台市体育館 代表決定戦1日目





田「水宮。日向見なかったかー？？」

貴「またトイレでしょ？」

西「にしては遅いな。様子見に行くか？」

そんな小学生じゃないんだから…と思いながらも

試合前の選手をわざわざ探しに行かせるのは気が引けた。





貴「トイレらへん見てくるよ。」

中まで入れなくても問題ないでしょ。








男子トイレに近づくと注目が集まっているのが分かる。

トラブルメーカーか、ウチのオレンジ君は。

そのオレンジ君の声が聞こえると

ほぼ同時に視界に入って来たのは

オレンジ君、日向

白鳥沢の、ウシワカ

青城の及川さんと岩泉さん

伊達工の…青根…さん…？だっけ

ウシワカが日向達から離れたところで声をかける。







貴「日向！何してるの！」

日「ぁあ！水宮さん！今からトイレに！」

岩泉さん、青根さんに会釈しながら日向に近づく。

面倒だから及川さんはなるべく視界に入れない。

貴「早く行っておいで。皆心配してたよ。」

日向はビクビクしながらも「はい！」と返事をしてトイレへ。

私は少し離れたところで待とうとトイレから離れようとすると

及川さんが立ちはだかった。





及「ちょ、ちょっとー！Aちゃん！及川さんを空気にしないでー！」

貴「ぇー……。」

岩「おい、及川。あからさまに面倒臭いって顔されてるぞ。ざまぁみろ。」

及「なっ！岩ちゃんヒドイ！」

騒ぐ及川さんをどけてくれた岩泉さん。ありがとうございます。






「青根ー？なにしてんのー？」

伊達工のジャージ。茶髪の長い前髪を流した人が近づいて来た。

たぶん、伊達工の新主将…二口さん。





ニ「あれー？こんなとこで女子に絡んで何やってんスかー？そんな余裕かましてて大丈夫っスかー？」

及「はぁ！？」

へらへらとした笑顔で及川さんを挑発し始めた二口さん。

なんか…この人もチャラそう…。巻き込まれる前に逃げよう。

たまたま目の合った青根さんに頭を下げて

今度こそ抜け出そうとまた一歩踏み出す。






ニ「あれ？烏野のジャージ…。エ○そうな美人マネ以外にもマネいたんだー！」

二口さんはずぃっと私の前に顔を出す。

セクシーな美人マネ…潔子さんですね！たしかにそうだけど…

私をここから抜け出させて！

適当に返事をして…今度こそ抜け出す…！

二「…！！！ちょっと！水宮Aじゃん…！？」

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