18 ページ18
それは、ある日の事だった。
ミュージックステーションに出演が決まり、マネージャーから予定表が配られて出演者名簿に目を落とすと、Mr.KINGの文字がそこにはあった。
収録の日になり、私が歌を披露する直前にタモリさんからのインビューを受ける。
タモリさん「お次の方は、Aさんで〜す。」
A「お願いしまーす。」
タモリさん「今回の歌は、失恋ソングということで最近、Aさんは恋愛してますか？」
A「恋愛…笑
そーですねー、全然出来ないですね笑」
タモリさん「失恋は？したことある？」
A「いや、そんなたいした恋愛は人生で一度も出来てないんですよ…笑」
タモリさん「そっかー、じゃあ、そろそろしたいお年頃だよなぁ」
A「そうですね笑
機会があれば、皆さんお願いしま〜す！」
カメラに向けてそう言うと、出演者さんから笑いが起こった。
私の直後に披露する人達は、幸か不幸かMr.KINGで、
同じ列に私とMr.KINGが座っていた。
私が歌を披露するのは、タモリさんがMr.KINGへのインタビューが終わった後。
それまでは、私は廉の隣に座らなければならなかった。
座席順は左から
海人くん、紫耀、廉、そして私だった。
さっきの私へのインタビュー内容の名残か、紫耀もタモリさんから恋愛に関しての質問をされていた。
タモリさん「ジャニーズは、恋愛禁止だもんね？」
紫耀「いや、禁止ではないんですけどあまり皆さんには知られないようにと言いますか…はい。」
廉「基本的に、暗黙のルールみたいなもので恋愛は禁止だけど結婚はOKみたいな所あるかもしれないです笑」
タモリさん「あ〜、そうか〜。
じゃあ、青春を犠牲にして芸能活動をしてるだね笑」
海人「そう…ですね笑」
タモリさん「Mr.KINGもAちゃんも大変だなぁ」
タモリさんが私の目を見て
タモリさん「ねぇ？」
そう言ってきた。
A「そんなことないです笑」
タモリさん「そうかぁー？俺だったら恋愛したいけどなぁ」
そう思うよなぁ？
とタモリさんは紫耀に向かって言った。
そして紫耀は、
紫耀「はい！笑」
元気よく無邪気に答えた。
紫耀のその顔が、私の心の中で痛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chocolate | 作成日時：2020年7月1日 1時
