Jellyfish【平野紫耀】 (ページ11)

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無意識だったと思う。

私は、紫耀に繋がれている手を見て

A「…これなに？」

と聞いた。

紫耀の顔を見ると、紫耀はゴクンと唾を飲んだ。

紫耀の目が、キョロキョロ私の目を交互に見る。

そして、紫耀の目が私の唇を見ているのがわかると本能からか

(キスされるな…)

咄嗟に思った。

案の定、紫耀にキスをされた。

前の私だったら、すごく嬉しかったのかもしれない。

だけど、今は違かった。

顔が離れると、涙が込み上げてきて

A「……やめて」

そう言っていた。

A「紫耀は、私のこと好きでもないのになんでこんなことをするの…」

私が、紫耀にそう尋ねると

紫耀が困った顔をして

紫耀「俺、Aのこと好きじゃないなんて言ったこと一度もないよ？」

A「でも、そう言う好きじゃないでしょ」

紫耀「なんでそう思うの？」

A「私が知っている紫耀は、告白すらしてないのにキスするような人じゃないから。」

紫耀「じゃあ、これはAの知らない紫耀くんだね」

私に向かって微笑みながらそう言った。

A「…やめてよ。
そんなの全然嬉しくない。遊ばれてるってこと？！
私が、紫耀のことが好きなの気づいててやってる？それで私の事もてあそんでる？」

泣きながら必死にそう言ったと思う。

紫耀「もてあそんでなんかねーよ、俺がどれだけ我慢してたか知ってんのかよ。」

A「……えっ」

紫耀「俺が、その言葉をAに伝えたら、困るのはAじゃねーのかよ。」

紫耀の言う通りだった。

実際、廉との間でそうなっている。

廉のことが好きじゃないからじゃない。

告白されたのが例え好きな相手からだったとしたらもっと困っていたと思う。

そして、紫耀なら尚更。

お互いが夢に向かって歩いている私たちにとっては、恋愛を諦めるしか無かった。