Jellyfish【平野紫耀】 (ページ2)

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私たち、全員が高校生になった春のこと。

紫耀と同じ高校に進学した私と廉は、家も近かったせいか毎日の登下校を共にしていた。

廉と私はクラスが離れてしまってなかなか会えない日が続いたけれど、それでも新しい友達もできて楽しい高校生活は送れていた。

入学して3ヶ月が経とうとしていた6月下旬。

ある女の子から、お昼休みの時間に唐突に言われた。

「Aちゃんって、紫耀先輩のこと好きなの？」

A「えっ…？」

この時の私は何も答えられなかった。

私が事務所に入っていることはクラスのみんな知っていて、もちろん恋愛するのも禁止されていることも知られていた。

でも、私が紫耀のことを好きになるのにそう時間はかからなかった。

だけど、認めたくなかった。

できない恋愛ならしたくない。

辛い思いはしたくない。

当時の私は自分のことにいっぱいいっぱいで傷つくくらいなら恋愛はしない。

そう心の中で思っていた。

しかし、本能というものは理性でどうにかなるものではなく、そんな私の決心も儚く打ち砕かれた。

図星だった。

私は、この時すでに紫耀のことが好きだっと思う。

そして、この時の自分はその子に対してこう答えたと思う。

A「好きじゃないよ。」

と。

他人に嘘をつくよりも、自分自身に嘘をつく方が精神的に負の影響が大きいことをこの時の私は、この子から学んだ。