〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】6

6-7 粒目　赤葦side ページ7

兎「Aかっこいいなぁ！今回も勝てよー！」

木「なに？今の相手が強いの？」

白「日本で1番強い女性だってー。絶対的女王ってやつ？」





練習が終わって早々、タブレットに群がり

水宮の試合を観戦する部員達。

水宮は苦戦しながらも勝ち上がり準決勝の最中。

試合の解説者の話だと、これは予想外の快挙らしい。





木「なーんか、やっぱプレイヤーだな。別人みてぇじゃん。」

赤「えぇ。」




試合中の水宮は、普段見せる表情はもちろん、

前に3×3でゾーンに入った時とも違う

力強い表情を見せていた。

ただ時折見せる、勝負の1本が決まった瞬間の笑顔は

水宮が人気プレイヤーである要因の１つだろう。





彼女が小さなガッツポーズと笑顔を見せるたび

会場が盛り上がる。









でも…









兎「ぐぬぬ…！！！女王強ぇぇ…！！」







素人の俺たちにも分かるほどに

対戦相手である佐野選手の圧倒的強さは明らかで

水宮は食らいつくもどんどん追い込まれていく。







兎「いや…入るぞ…！！」






水宮は、いつか見た、

ゾーンに入る前のルーティーンを見せた。





足をトントン、、とついた瞬間、









佐野選手が水宮を見て苦笑いするのが分かる。









水宮の目つきが一段と鋭くなるのが分かる。









『非常に厳しい展開です。ここで大きな得点を得られないと水宮選手は辛いですね。』

『この初舞台、佐野選手が相手という状況で底力が見せられるでしょうか、水宮選手。』









スローラインに立った水宮が、

今のまで以上に力強くダーツを放る。









、









、









兎「よーーーっし！ヘイヘイヘーーイ！」

ピンチをひっくり返すほどの水宮のダーツに

あなたが投げたんですか？と突っ込みたくなるぐらい

大きなガッツポーズをする木兎さん。





そう思う俺も、他の部員達も

ナイスプレーに力が入る。

会場もいままで以上に湧く。









白「このまま……勝って…！Aちゃん！」









白福さんが祈るように水宮を応援した。

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