〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】6

6-41 粒目 ページ41

貴「待って。」





とっさに赤葦くんの胸に両手を置いた。

ほんのり色っぽい雰囲気を残したまま

でもいつもの無表情で私の顔を見る彼。







赤「…………ダメだった？嫌？」





貴「嫌…じゃない…けど……。」









少し首を傾げる赤葦くんは

そのままの表情で私を見つめる。








赤「……………え？嫌じゃないの？じゃあ…。」

細めた瞳に鋭さが戻る。








貴「だ…だめ！嫌じゃないけど…痕残るのはこまるよ…！」

赤「……。」

貴「だって…！学校始まったら、更衣室で着替える時とか…！」









、









、









赤「…………フフッ」

貴「え？」







赤葦くんはしっかり掴んだ私の肩から手を離して

今度は彼から私の手を絡めとった。

クスクスと笑いながら私の顔を覗き込む。






赤「それが理由？」

貴「あ……えっ…と…。」









貴「赤葦くん。遊んでるでしょ。」

赤「うーん。どうだろうね。」

微笑みながら、私の頭をポンポンと叩いた。







赤「虫除けにはなるよ。もう水宮は俺の彼女だからね。」

貴「そんな事しなくても…大丈夫…だよ…。」

俺の彼女っていう言葉に

なぜか反応してしまう。







赤「あ…照れた。」

貴「照れてない！」

顔赤いよーと笑う赤葦くん。









悔しい。









私は自分から赤葦くんの首筋に顔を埋めた。









.









貴「虫除けっていうなら、私も付けるよ。」

赤「え…。」






私の顔のすぐそばにある彼の首筋を







スーッと優しく指先で触る。









貴「赤葦くん…モテるくせに。」








彼の喉がコクリと上下に動いたのが見えた。









.









.









赤「水宮！」

6-42 粒目→←6-40 粒目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す