〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】6

6-18 粒目 ページ18

オ「選びたい放題だなぁ…どうすんだよ。」

貴「わかんないですよー…どうしよう。」





エキシビジョントーナメントの翌日。

宮城へ経つ前に

いつものオーナーの店に来ていた。





前日の試合後、有難いことに

「スポンサーしたい。」

と色々なダーツのメーカーからお話を頂いていた。

メーカーのスポンサーなんて

プロになってさらに先の話だと思っていたから

正直、嬉しかった。





…けど、

予想外だったのは、いくつもお話を頂いていて

私が色んな条件を加味して

選ばなきゃいけないという事。






オ「売れっ子は辛いねぇ。」

貴「茶化さないでください。」







私みたいな小娘には勿体無い話。

でも、選ばなきゃいけない。

そして選ぶという事は、他を断ると言う事。








「てかAちゃんさ、もう高校生やる必要ないよね？これで食っていけるし、授業の時間、練習に当てたくないの？」







嫌味とかも一切ない、

常連さんからの素朴な疑問だった。








高校、大学と、就職のためだけに進むなら

たしかに必要ない物かもしれない。








オ「高校と、可能なら先の学歴も持っとくべきだろ。」

貴「はぁ。。」

オ「この業界の大人達と会話する時に、ある程度の学歴を積んで、その時期の限られた時間の経験があるって事は、必ず役に立つんだよ。」








貴「珍しく真面目なこと言ってますね。」








オ「うるせー。それよりメーカーだよメーカー。」







私は再び

数字と小難しい日本語が並んだ書類と

睨めっこを始めようとした。






オ「お前、条件見比べても決まらねぇだろ。単純に、今使ってるダーツのメーカーで良いじゃねぇか。」

貴「そうですねぇ…。」









私は1枚の書類を取って、オーナーに渡した。









貴「預かっといてください。たぶんここにしますが…また今度先方に私から返事するので。」

オーナーは苦笑いしながら受け取った。

6-19 粒目→←6-17 粒目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す