〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】6

6-15 粒目 ページ15

貴「睡眠不足になってまで中継見なくても…私の名前が届くくらい、有名になってみせるよ。」






母「ふふふ。待ち遠しいわ。」

貴「楽しみにしてて」

母「ええ。」




母「……じゃあ、繋心くんにもよろしくね。」

貴「ありがとう。少しでも寝なよ。」






電話を切る直前、

パパの"焦らせるんじゃない。"

と言う声が聞こえてきて、

ママは"だってー"と返事しかけていた。

きっとその後の言葉は






"楽しみなんだもの"








、









、









オ「電話か？」






電話を切ったスマホからまだ目を離せない私に

いつからいたのか、オーナーが話しかけてきた。








貴「親がね」

オ「………あぁ。珍しいな。」

貴「オーナー。私…」

オ「ん？」







私はスマホから目線を離し、

オーナーの目を真っ直ぐ見た。








ぼんやりしていたオーナーの目つきは

私と目が合うと、ほんの少し見開かれた。









貴「強くなりますから。早く…。」

オ「………。」









オーナーは間を開けた後

ゆっくり口を開く。









オ「お前…『ヴーーーヴーーー』」








オ「…………。」

何か言いかけたオーナーの言葉を

私のスマホの着信が遮る。









よく電話が鳴るなと思いながらスマホを見た。









、









、









貴「あ。………赤葦くんだ。」









オ「…………………もういいわ。赤葦くんなら出ろ。」

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