〈HQ〉君のチョコレート【赤葦京治】【完結】２

2-7粒目　月島side ページ7

自分の気持ちに気づいてないわけじゃない。



気持ちに蓋をした。つもりだった。








ただ、



目の前で他の奴に持っていかれるかもしれない。




そう思った時

自分の物でも無いのに独占欲が溢れた。







今回は水宮が明らかに嫌がっていたし、

図書室の事があったから

やりすぎた。お互い様。で誤魔化せたけど






"これ、僕のなので"


"気安く触らないでもらえます"


"彼氏になるのは僕なので"





全部本心だったこの言葉。






ただ、言葉を発するたび

水宮の反応で分かる。




彼女は僕を異性として意識していない。









月「水宮。」


水宮が横で僕を見上げる。









好きだよ。









いつか、意識させてみせるから。


いつか、表面的な意地悪な笑顔じゃなくて

心の底から微笑ませてみせるから。







いつか、また君を

"A。"

そう呼ぶから。






月「アイス、買って帰る？」

貴「うん！私、いつものチョコアイス！」

月「ククッ…知ってる。」





それまで、誰のものにもならないで

君が嫌がらないと、僕は相手を払えない。







月「モテモテって噂の水宮先輩…。」

貴「な、なによ…。」

月「そこ否定しないんだ。」

貴「だって結構モテてるし。」




月「じゃあ尚更。次から、図書室遅れる時はちゃんと連絡して。」

水宮はきょとんと僕を見上げる。

誰かに呼び出されたりしたら教えて

とは言えないけど…




あの時間だけでも僕を優先して。




今できる精一杯の束縛。




月「今日みたいに八つ当たりされたら、たまんない。」

貴「！！！」

僕がニヤリと笑うと、ムスッとする彼女

貴「じゃあ、呼び出されたりしたら迎えに来てよね。私、今誰とも付き合う気ないから。」




月「………気が向いたらね」





たぶん僕は、柄にもなく

急いで迎えに行くんだろう。

なんにしても



この関係は、今の僕らのベスト。

水宮。君が好きだよ。

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