パーティ ページ9
その日の夜。
市内のパーティ会場はSMのタレントで賑わっていた。
思い思いのドレスに身を包む女子たち。
お揃いのスーツをシャキッと着こなした男子たち。
1年に1度。
プライベートな時間をあまり楽しむ時間もない彼らへのご褒美。
豪華な食事と、美味しいお酒。
開放的な空間は彼らを喜ばせた。
会場のロビーに置かれたソファに座って足を組むテミン。
縦のストライプが入ったスーツ。
メンバーたちと離れて一人退屈そうに肘を突いていた。
退屈…
A…呼べば良かったな…
でも…
こんな所でヒョンに会ったりしたら…
テミンは自分の手を伸ばして眺める。
その先に何も無いのに何かを掴むようにギュッと握った。
せっかく…
この腕に抱いたのに…
せっかく…
僕に繋ぎとめているのに…
その時だった。
YA「テミナ。」
真っ赤なロングのドレス姿で声をかけてくるのはユナ。
顔を上げて手を振っているユナに手を振りかえしてハッとする。
甘い…
匂い…
テミンは口を緩めるとソファから立ち上がる。
TM「ユナヌナ。」
ユナに駆け寄るテミンは、ドレスの裾を踏まないように気を付けながら歩いた。
開かれる扉の中は別世界。
YA「わぁ。凄い。」
ユナは声を上げて喜んだ。
エスコートするように傍に立っていたテミン。
ユナの腕を軽く揺らす。
TM「ヌナ。」
顎でクイッと合図した先にはウニョクと笑うドンへの姿。
ユナはテミンに顔を寄せた。
YA「ホントにやるの…？」
TM「興味があったからその匂いを漂わせて来たんでしょ？」
YA「そうだけど……。」
TM「ほら。頑張って。」
テミンはユナの背中を押した。
ためらうように何度もテミンを振り返るユナにニッコリ微笑む。
スーツのポケットから取り出した携帯をギュッと握りしめた。
ドレスの裾を引きずってゆっくりとドンへに近づくユナ。
YA「ドンへオッパ。」
声をかけるとウニョクまで振り返る。
DH「ユナ。」
すかさず絡む腕。
YA「オッパ素敵だよ。」
DH「ユナも可愛……い……よ…。」
わざとらしくユナは髪を揺らす。
フワッと髪の内側に潜んでいた匂いが流れ出した。
この……匂いは……
DH「ユナ……お前また…。」
顔色の変わりそうなドンへ。
ユナは思わず胸元を押し付けるように身体を寄せる。
YA「オッパの為に…付けて来たんだよ…？」
そう言いながら恥ずかしそうに唇を噛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆちょみん(プロフ) - あやさん» 気持ちが高まっていく感じが自分でも好きです。なのに突然辛くてみたいな。お話の中だからこそっていうのもありますよね。実は次回作ももう書いてます。まずはこの切ない恋の行方を完結させますのでどうぞ最後までお付き合い下さいませ^^ (2017年3月1日 20時) (
レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 油断大敵です！(笑 でも楽しんでくださっていて本当に憂いしいです^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - こんにちは、いつものゆちょみんWorld！！はぁもう、きゅんとなって、シクシクして、このアップダウン大好きです。早くドンヘの胸に戻って欲しいなぁと思いつつもお話が終わってしまうのは寂しいので、それまで堪能させて頂きます♪ (2017年3月1日 18時) (レス) id: 152a7803ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ゆちょみんさん» 最近のお話は幸せな展開が多かったので油断してました〜涙 気長にいつまでも待ちます！ (2017年2月27日 21時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 私のお話はいつもこんな遠回りを繰り返してます。ハラハラしてください！続きはまた明日^^ いつもコメント感謝です！ (2017年2月27日 0時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年2月25日 20時
