異様な光景 ページ23
駆け込んだ救急のロビー。
ドンヘが腕に抱えていたA。
ポタポタを血を滴らせる。
それを追いかけて来たシウォンと、血まみれのテミン。
看護師はその姿を見ただけで緊急事態と判断し、一気に慌ただしくなった。
ガラガラとうるさいストレッチャーに奪われるように乗せられて連れて行かれたA。
軽くなった腕が真っ赤に染まったのを見れば、壮絶さを実感した。
待合室の椅子の上で膝を抱えて泣いているテミン。
DH「説明してくれ……。」
静かに声をかけるドンへ。
TM「A……。A……。」
Aの名前を呼び続けているテミンは抱えている膝に頭を埋めた。
グイッとテミンの腕を引っ張って立たせるドンへ。
DH「説明しろっ！」
その腕は震えていた。
DH「お前しか知らないんだ…。どうしてこんな事になったのか説明しろ…。」
テミンは腕を掴んでいるドンへの手が緩むと、床に座り込んだ。
TM「街で……絡まれて……そしたら……突然…Aが来て……僕を呼んで……。」
泣きすぎていてうまく話せない。
TM「来るなって……言った…んだ……。巻き込み…たく…なくて……でも……気づい…たら…こんな…ことになって……。」
ドンヘは目を閉じて深いため息をついた。
力の入らない身体を奮い立たせてドンへの腰にしがみつくテミン。
TM「ヒョン………Aは…？Aはどこ……？A……大丈夫…だよ…ね…ヒョン…。」
そしてまた泣き出してしまった。
俺たちが…
テミンを見つけるまで…
時間はかからなかった…
繁華街でSHINeeが乱闘騒ぎ…
女は死んだかもしれない…
通行人があちこちでざわついてた…
俺たちが…
テミンを見つけた時…
息を飲んだ…
心臓が破裂しそうな程強く打って…
恐怖が…
一瞬で俺を支配して…
テミンは…
Aの頭から流れ続ける血だまりの中で…
狂ったように泣き叫んで…
早く運ばなきゃいけないのに…
俺も…
シウォナも…
少しも動けなかった…
もし…
もしAを失ってしまったら…
俺は…
俺はどうすれば…
ポンと肩に乗る手。
SW「ドンへ……。」
DH「なんで……こんな事になる…。」
やっと…
やっともう一度Aと繋がる事が出来たのに…
気休めのひとつも言えないシウォン。
ドンヘは待合室の壁を真っ赤に染まった手で思い切り叩きつけた。
A…
必ず戻って…
必ず…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆちょみん(プロフ) - あやさん» 気持ちが高まっていく感じが自分でも好きです。なのに突然辛くてみたいな。お話の中だからこそっていうのもありますよね。実は次回作ももう書いてます。まずはこの切ない恋の行方を完結させますのでどうぞ最後までお付き合い下さいませ^^ (2017年3月1日 20時) (
レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 油断大敵です！(笑 でも楽しんでくださっていて本当に憂いしいです^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - こんにちは、いつものゆちょみんWorld！！はぁもう、きゅんとなって、シクシクして、このアップダウン大好きです。早くドンヘの胸に戻って欲しいなぁと思いつつもお話が終わってしまうのは寂しいので、それまで堪能させて頂きます♪ (2017年3月1日 18時) (レス) id: 152a7803ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ゆちょみんさん» 最近のお話は幸せな展開が多かったので油断してました〜涙 気長にいつまでも待ちます！ (2017年2月27日 21時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 私のお話はいつもこんな遠回りを繰り返してます。ハラハラしてください！続きはまた明日^^ いつもコメント感謝です！ (2017年2月27日 0時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年2月25日 20時
