叫び ページ22
撮影の終わったSUPERJUNIOR。
スタッフに挨拶をして出るスタジオ。
ズボンのポケットの中で震えるドンへの携帯。
控室までの廊下をみんなで歩きながら取り出す。
その表示を見て慌てて耳に運んだ。
DH「テミン!?」
ドンヘの声に反応するメンバーたち。
廊下のど真ん中で大所帯が足を止めた。
DH「テミン!お前今どこにいる!?」
ドンヘの声を耳に流すテミンの頬に小さな涙が落ちた。
TM「…ヒョン…………助け……て……。」
DH「…テミン……?」
TM「……助けて………。」
泣いているような声がドンへの携帯に繰り返し流された。
少しも動かないAを腕に抱いて、その手を真っ赤に染めていたテミン。
TM「ヒョン……助けて………Aが……。」
DH「A…?Aがどうした!?」
TM「Aが………死んじゃう………死んじゃうよ……お願い……助けて……。」
力が抜けたように腕が落ちると携帯が地面に転がった。
TM「…A……目を開けて……。A…。A!!!」
繋がったままの携帯が拾うテミンの声。
泣き叫ぶような声。
事態の悪さを物語るには充分だった。
DH「テミン!!どこにいるんだよっ!?おいっ!テミン!!」
返って来ない返事。
ドンヘは衣装のまま走り出す。
EH「ドンへっ!?」
事態の把握出来ないメンバーたち。
YS「なんだ…?」
KH「テミンなんだったんだろ……。」
SW「一緒に行ってくる…。」
そう言ってシウォンはやっぱり衣装のままドンへの後を追いかけた。
二人が慌ただしくいなくなった後の廊下。
イトゥクはイェソンの腕を軽く揺らす。
LT「とりあえずオニュに連絡して…。」
YS「分かった…。」
繁華街の入口。
TM「…A!!………A!!!」
Aの名前を呼び続けて泣いているテミン。
その光景は異様。
どんどん広がっている血だまりの真ん中にいるテミンは、その服も手も真っ赤。
関わりあいになりたくないとあからさまによけて通る通行人たち。
僕は…
間違ってたの…?
会いたかった…
抱きしめて欲しかった…
ヒョンに…
僕はどう頑張っても…
ヒョンには勝てないと言われたような気がして…
血まみれの指先でAの頬を撫でる。
TM「A……僕は……キミを愛しただけなんだ……。」
頭をもたげて泣くテミンは、ソウルの街中に響き渡るような叫びをあげた。
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ゆちょみん(プロフ) - あやさん» 気持ちが高まっていく感じが自分でも好きです。なのに突然辛くてみたいな。お話の中だからこそっていうのもありますよね。実は次回作ももう書いてます。まずはこの切ない恋の行方を完結させますのでどうぞ最後までお付き合い下さいませ^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 油断大敵です!(笑 でも楽しんでくださっていて本当に憂いしいです^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - こんにちは、いつものゆちょみんWorld!!はぁもう、きゅんとなって、シクシクして、このアップダウン大好きです。早くドンヘの胸に戻って欲しいなぁと思いつつもお話が終わってしまうのは寂しいので、それまで堪能させて頂きます♪ (2017年3月1日 18時) (レス) id: 152a7803ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ゆちょみんさん» 最近のお話は幸せな展開が多かったので油断してました〜涙 気長にいつまでも待ちます! (2017年2月27日 21時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 私のお話はいつもこんな遠回りを繰り返してます。ハラハラしてください!続きはまた明日^^ いつもコメント感謝です! (2017年2月27日 0時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時:2017年2月25日 20時