所有者 ページ1
1時間程前。
*「あーあったあった。」
小太りのスーツ姿の男性は帳簿をめくる手を止めていた。
*「HARUって店だったよね。」
JM「そうです。」
逆さまの帳簿を覗き込むように首を傾けるジョンミン。
男はくたびれたメガネをかける。
*「イム・ハンソンが元々のオーナーだね。保証人は妻のマコ。」
筆で書かれたような文字を指でなぞりながら中身を確認する。
*「去年、家を継いだ娘が売りに出してる。」
JM「娘?」
*「えーっと………名は……A。」
JM「A?」
ジョンミンは察した。
そうか…
キミにとってあそこが特別だったのは…
あそこがキミの家だったからか…
JM「現在の所有者は誰です?」
*「待ってよ……。」
次のページへ書類を送る男。
*「お。また凄いのが所有してるな。」
JM「凄いの?」
*「所有者の名前はチェ・シウォンってなってるよ。」
JM「シウォン!?シウォンって…SUPERJUNIORのシウォンですか?」
*「そうなんじゃないのか?まあ同じ名前もいるだろうから分からんけどね。」
JM「売りに出された理由は?」
*「そんなところまでは分からんよ…。」
JM「そう…ですよね。ありがとうございました。」
ジョンミンは頭を下げるとさびれた店舗を出る。
父親と母親の所有するあの家を…
Aが継いで売りに出した…
それをシウォンが抑えてる…
Aの傍にはテミン…
A…
キミは一体…
少し悩むような顔を浮かべるとスーツのポケットに手を突っ込んで歩き出した。
ジョンミンの所有するマンションの寝室。
フカフカなベッドの中のテミンとA。
ベッドの脇には無造作に落ちている服。
Aを抱きかかえるように身体を横に向けるテミン。
穏やかな寝息を立てるAの頬をそっと撫でた。
やっと…
抱いてあげられたよ…
僕の腕で…
僕の全てでキミを求めた…
顔にかかる髪を指先で払う。
キミの甘い声が…
僕の頭をこれでもかっていうくらい刺激して…
キミの細い腕が…
僕の身体を焼き尽くす程抱きついてきて…
この僕が…
少しも我慢出来なかった…
思い出すだけで身体の底がうずくような…
それでもまだ欲しくなる…
もっと…
もっとって…
これで僕は……
より一層キミから離れられなくなってしまった…
Aの額にチュッと音を立てるキスをした。
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ゆちょみん(プロフ) - あやさん» 気持ちが高まっていく感じが自分でも好きです。なのに突然辛くてみたいな。お話の中だからこそっていうのもありますよね。実は次回作ももう書いてます。まずはこの切ない恋の行方を完結させますのでどうぞ最後までお付き合い下さいませ^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 油断大敵です!(笑 でも楽しんでくださっていて本当に憂いしいです^^ (2017年3月1日 20時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - こんにちは、いつものゆちょみんWorld!!はぁもう、きゅんとなって、シクシクして、このアップダウン大好きです。早くドンヘの胸に戻って欲しいなぁと思いつつもお話が終わってしまうのは寂しいので、それまで堪能させて頂きます♪ (2017年3月1日 18時) (レス) id: 152a7803ba (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ゆちょみんさん» 最近のお話は幸せな展開が多かったので油断してました〜涙 気長にいつまでも待ちます! (2017年2月27日 21時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» 私のお話はいつもこんな遠回りを繰り返してます。ハラハラしてください!続きはまた明日^^ いつもコメント感謝です! (2017年2月27日 0時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちょみん | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時:2017年2月25日 20時