韓国人 ページ8
遥斗は自室に戻って来ると荷物を放って携帯を充電器にさした。
上着を椅子の背もたれに引っ掛けて部屋を出る。
階段を降りようとした時。
微かに聞こえてくる携帯が震える音。
ﾊﾙﾄ『ん？俺のか？』
そう思って真っ暗の自分の部屋の携帯が光っている様子はない。
一度収まってまた震える音。
遥斗はAの部屋のドアノブに手をかけてゆっくりと開く。
ベッドの上に置きっぱなしになっている携帯がチカチカと光ってブルブル震えていた。
リビングになかなか戻ってこない遥斗を待って、落ち着かないテミン。
自分の携帯を握りしめたまま、借りてきた猫みたいに座っていた。
『ご飯まで少しかかるから、くつろいでくれていいからね。』
Aは緊張した面持ちのテミンに白いマグカップを差し出す。
好みが分からなくてミルクとお砂糖も添えた。
小さな会釈をして受け取られるカップ。
口をつければほろ苦さが口に広がった。
『私はA。遥斗の従姉弟なの。あなたの名前は？』
TM『ア……。ボクハ……テミン…ト、イイマス。』
テミン…？
この子…
もしかして…
ようやく開いた口から出た日本語はカタコト混じりなもの。
ｱｺ『外人さん？日本語上手ね。』
食事の支度をしながら亜子が割って入る。
自然と引っ込めてしまった笑顔に気付かないまま、Aはテミンをジッと見つめる。
『あなた……韓国人………？』
TM『エ……ア……ハイ……。ソウデス…。』
名前を名乗っただけなのにそう言われてテミンは少し驚いた顔を持ち上げた。
TM『ドウシテ、ワカリマシタカ…？』
『ん…？何となく……かな…。』
寂しそうな顔を見せたのに、すぐに取り繕われた笑顔。
その表情の意味が分からなくて、テミンは不思議そうに首をかしげた。
二階の遥斗。
Aを呼ぼうと声を出しかけてすぐに思いとどまる。
真っ暗な部屋の中に足を踏み入れて、光っている携帯を見下ろした。
着信表示は…
ドンへ…
またこいつ…
いけないと理解していても遥斗の手はAの携帯を掴んでいた。
大きく息を吐き出すと、ゆっくりと耳へ運んだ。
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ゆちょみん(プロフ) - みゅうみゅうさん» お読みいただきありがとうございます。手作りのガトーショコラ素敵です＾＾ 引き続きお楽しみ下さいね！！ (2017年2月14日 21時) (
レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
みゅうみゅう(プロフ) - 更新ありがとうございます！このお話のドンヘさんがとても好きで、今日のバレンタインにガトーショコラを焼きました^^今はとても切ない二人だけど幸せになれたら良いな。これからも楽しみにしています。 (2017年2月14日 19時) (レス) id: 55c32e169a (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - yukichiさん» いつもお読みいただきありがとうございます。迷走してませんか？大丈夫でしょうか。時間が許す限りUPしますね！ (2017年2月14日 17時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
yukichi(プロフ) - 毎日繰り返し読んでいます。ほんと胸が痛いです(´；ω；｀)物語にどっぷり引きずり込まれて１日中考えてることもあります（笑）はやくドンへの元へ帰りたいな。 (2017年2月14日 7時) (レス) id: 7799256b4d (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。覚えていてくれたんですね。本当に嬉しいです。昨日完結させましたのでこれからどんどんUPします。ただいまです！ (2017年2月13日 17時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年2月10日 18時
