オレンジ色の空 ページ38
ドンへはポンとAの頭を軽く叩く。
眉間にシワを寄せて顔を思いっきり歪めているAを見て、フッと微笑んだ。
見せた笑顔が予想外だったA。
歪んでいた顔がさらに歪む。
DH「ずっと考えてた…。」
何も誤魔化さず…
DH「なんて言えば…Aは…迷わず俺と帰るって選択をしてくれるだろうって…。」
何も隠さず…
DH「でも…見つからなかった…。極め付けの言葉なんて…浮かびもしなかったよ…。」
何も飾らず…
DH「俺は…愚かだった…。弱かったんだ…。」
もう…
正直に話そう…
1年分の…
想いを…
DH「あの時は…あれが最良なんだと思ってた…。」
Aはチケットを手にしたまま顔を歪めてドンへの言葉を聞いていた。
DH「Aを泣かせる事は…傷つける事は分かってたはずなのに…。」
まさか…
一人で日本へ行こうなんて選択をするとは…
思わなかったんだ…
DH「どうしようもないよな…俺…。失ってから気づいたんだよ…。」
間違っていた事に…
いや…
知ってたんだ…
ホントは…
間違ってるなんて事は最初から分かってた…
気づいたのは…
俺にとって…
Aがどれだけ大切かって事だった…
ドンへは手を伸ばして泣きそうな顔をしているAの頬を包んだ。
DH「ごめんな……。A…。」
Aは首を横に思い切り振った。
「謝んないでよ…。ドンへが謝る事なんて何もないのに…。」
愚かなのは…
私も同じなのに…
ドンへを傷つけて…
泣かせていたのは…
私も同じなのに…
ホロッと一粒、不意に頬に落ちた涙。
歯を食いしばってないと次から次へと落ちそうな程、心が震えていた。
DH「A…。」
見つめ合うドンへとA。
DH「明後日………Aが俺と一緒に帰ろうと思ってくれるのなら…。」
そのチケットに間に合う時間に…
空港に来て欲しい…
でも…
もし…もしも…
もう…帰らないとAが決めるのなら…
来なくていい…
DH「その時は………潔く諦めるよ…。」
「……ドン…へ……。」
我慢していた何かが弾けて外れる音がした気がした。
Aはポロポロと涙をこぼす。
ドンへは静かに泣いているAを強く抱きしめた。
頭に小さなキス。
Aにしか聞こえない声で囁く。
愛してるよ…
A…
オレンジ色の空は、その姿を星空へと変えようとしていた。
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ゆちょみん(プロフ) - みゅうみゅうさん» お読みいただきありがとうございます。手作りのガトーショコラ素敵です＾＾ 引き続きお楽しみ下さいね！！ (2017年2月14日 21時) (
レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
みゅうみゅう(プロフ) - 更新ありがとうございます！このお話のドンヘさんがとても好きで、今日のバレンタインにガトーショコラを焼きました^^今はとても切ない二人だけど幸せになれたら良いな。これからも楽しみにしています。 (2017年2月14日 19時) (レス) id: 55c32e169a (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - yukichiさん» いつもお読みいただきありがとうございます。迷走してませんか？大丈夫でしょうか。時間が許す限りUPしますね！ (2017年2月14日 17時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
yukichi(プロフ) - 毎日繰り返し読んでいます。ほんと胸が痛いです(´；ω；｀)物語にどっぷり引きずり込まれて１日中考えてることもあります（笑）はやくドンへの元へ帰りたいな。 (2017年2月14日 7時) (レス) id: 7799256b4d (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。覚えていてくれたんですね。本当に嬉しいです。昨日完結させましたのでこれからどんどんUPします。ただいまです！ (2017年2月13日 17時) (レス) id: 2956dc90c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming
作成日時：2017年2月10日 18時
