Lil miracle girl. (ページ12)

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仲直りページ12

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拓哉が建物の中に戻ってからも
風雅は私を抱きしめたまま離そうとせえへん
いくらエントランス前で建物の影に隠れてるって言っても
一応ここは外なわけで、そろそろ離れた方がいいかも…
って思ったタイミングでようやく離された風雅の腕

『あの、ふう…』
「ごめん」
『え、』
「ごめん、さっき、言いすぎた」

ごめん、って今度は弱々しくもう一回風雅が付け足した

『………私の方がごめん。心配、してくれたのに』

風雅は私のことを心配してくれただけで、
私が子どもやから風雅に酷いこと言っちゃって
悪いのは私やのに、目の前の風雅があまりにも悲しそうな顔してるから

『本当にごめんなさい。………嫌いにならんといて』

関係ないなんて思ってないねん
風雅のことも、他のメンバーのことだって
関係ないなんて思ったこと一回だってないもん

「…嫌いになれたら楽やねんけどな」
『え？』
「嫌いになられへんから困ってんねん。どんなに酷いこと言われても喧嘩しても、Aのこと嫌いになんてならんから」

私の手をそっと握った風雅が私の肩に顔を埋めた
きゅ、っと握られた手から風雅の気持ちが伝わってくるみたいで、泣きそうになる

「何言われても嫌いにはならへんけど、頼むからほんまにもうちょっと危機感は持って。お前になんかあったら、」

そこまで言って黙り込んだ風雅の手が震えてるような気がして
本当に、心配してくれてたんやなあって今さら痛感する

『……うん。ごめんなさい』
「ん。わかったならええねん」

ようやく顔を上げた風雅が眉を下げて笑った
これで仲直りな、って私のほっぺを撫でる

「てか寒いやろ、はよ戻ろ」

私の冷えたほっぺに触れたからか、
風雅が顔を顰めて私の顔を温めるように両手で包み込む
その手があたたかくて、なんだかすごく安心して。
思わず私のほっぺを包み込んだ風雅の手に自分のを重ねた

「A？」
『風雅の手、あったかい』
「お前の顔が冷たすぎんねん」
『…ふーが、』
「んー？」

だいすき、って小さく呟けば、
私の顔を両手で包んだままの風雅が目を丸くしてる
なんなんその顔

『、寒いから楽屋戻る！』

まんまるな目をぱちぱちさせて私を見つめる風雅になんだか恥ずかしくなってきて
風雅の手から逃れて建物内へと走る私は知らない

「……それは、ずるいやろ」

なんて、小さく呟きながら
風雅が顔を真っ赤にして崩れ落ちてることなんて。

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