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side黒羽
「……私が何者か、知ってて看病してくれたんですか?」
俺は思いきって聞いてみた。
すると彼女から返ってきた返事は意外なもので。
「いえ、最初は知らなかったんですけど。
ひと段落ついた時にテレビを付けたらちょうど貴方と同じ格好をした人が映ってて、それで貴方が誰なのかは知りました。
凄いリピートで再生されてましたよ、貴方が去っていく瞬間を」
そう言って彼女はくすくすと笑う。
……本当にそれだけなのか?
俺はこれでも犯罪者だぞ?
警察に連絡とか……。
まさか、もうした後だとか…?
「ふふ、安心してください。警察に連絡するような真似、しませんから」
顔に出ていたのか、あっさり考えていた事がバレてしまう。
駄目だ、いつものポーカーフェイスはどうした。
「いいんですか?犯罪者を匿って」
「誰であろうと、倒れている人を放っておけませんから。それに……」
彼女はすっと俺に手を伸ばして頬を撫でる。
ふわっと香った彼女の香りはどこか妖艶で、ピタッと動けなくなった。
「………何か、理由があるんじゃないかって思うんです。宝石を盗むのに」
「…………っ!」
まるで、全てを見透かしたような瞳。
何故そう思った?
あんたは何か知っているのか?
様々な考えが頭をよぎる。
だが彼女はそんな俺にまたくすっと笑うと、
「残念ですけど、私は何も知りません。ただ何となくそんな気がしただけです」
と言った。
「……さて、そろそろ外も暗くなってきましたけどお家帰れそうですか?よければ車出しますが…」
「…………いえ、大丈夫です」
「そ、そうですよね家知られる訳には…。
でも熱が下がってるとは言え病人をこのまま一人で帰らせるのも…」
何かをぶつぶつと考え出した彼女。
あ、そういえば……。
「あの」
「…?」
「お名前…お伺いしてもよろしいですか?」
まだ彼女の名前を聞いてない事を思い出した。
見ず知らずの俺を助けてくれたんだ。
後々お礼をしたい。
すると彼女はにこっと笑って、
「西条Aです。よろしくお願いします」
と言った。
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かっぱの子(プロフ) - ユナ さん» わわ!ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - すいません。名探偵コナンの世界を歩く、で、10話に間違いを見つけました!!ウォッカの、じゃあ、がしゃあになってます。直してくれると嬉しいです!これからも応援しています!頑張ってください (2018年9月16日 23時) (レス) id: e9274eb305 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです! これからも頑張って下さい (2018年5月3日 12時) (レス) id: 632895b9bd (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - みらいさん» お返事遅くなって申し訳ありません…!それは夢主ちゃんの過去に関係があります…がまだコナンの方ではあまり詳しく過去について書けていませんね…。これから少しずつ過去も書いていこうと思うので、お待ち下さい…! (2018年3月24日 12時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年4月21日 22時