37 ページ38
side貴方
夜、仕事も終わり家へと帰る。
仕事鞄をソファーへボスンと置き、カラカラ…とベランダの扉を開けて外へと出た。
「んー…今日は月が綺麗……」
雲一つない夜空に、まるい月がきらきらと輝いている。
しばらくベランダの手すりに肘を置いて見つめていると、目の前を白い物体が勢いよく落ちてきた。
そのまま私の家の庭へと落ちた物体。
私は慌てて下へと降り庭へ出ると、そこには壊れたハンググライダーと、白いスーツに身を纏った男の人が一人倒れていた。
その人の側には白い鳩がクルッポッと心配そうに声をあげて鳴いている。
「…えっと……ど、どうしたんですか?」
とりあえず側まで行って声をかけてみる…が応答なし。
恐る恐るといった感じで男の人に近づくと、顔を覗き込む。
すると彼は苦しそうに顔を歪めて、荒い呼吸を繰り返していた。
「…………っ、大変…!凄い熱…!
急いで看病しないと……!」
もう彼が誰だとは関係なしに私は家へと連れ込むと、二階の寝室は遠くて行けないのでリビングのソファーに寝転ばせる。
彼にごめんなさい、と一言だけ謝るとネクタイを緩め、シャツのボタンを少し開けた。
ジャケットはもちろん脱がせて。
その後はまず冷やしタオルを額に乗せ、熱を冷ます。
そして二階から毛布を持ってくるとお腹あたりに掛けてあげた。
よく見ると上から落ちてきたからか、顔の所々に擦り傷が出来ており、そこにも消毒をして手当てをする。
………これでひと段落…っと。
一旦落ち着いた私は、ずっと彼の側で心配そうに見守ってた鳩に視線を移す。
「………もう大丈夫だよ」
「クルッポ…」
「君は怪我ない?」
「ポーッ!」
大丈夫、とでも言いたげに腕…というか羽根を上げた鳩さん。
かわいい。
今は少し落ち着いたのか、すぅすぅと寝息を立てている彼。
私は近くに寄ってきた鳩さんを指で優しく撫でると、ソファーに突っ伏して寝る事にした。
732人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっぱの子(プロフ) - ユナ さん» わわ!ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - すいません。名探偵コナンの世界を歩く、で、10話に間違いを見つけました!!ウォッカの、じゃあ、がしゃあになってます。直してくれると嬉しいです!これからも応援しています!頑張ってください (2018年9月16日 23時) (レス) id: e9274eb305 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです! これからも頑張って下さい (2018年5月3日 12時) (レス) id: 632895b9bd (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - みらいさん» お返事遅くなって申し訳ありません…!それは夢主ちゃんの過去に関係があります…がまだコナンの方ではあまり詳しく過去について書けていませんね…。これから少しずつ過去も書いていこうと思うので、お待ち下さい…! (2018年3月24日 12時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年4月21日 22時