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side貴方




「ねぇジン。ジンはこんな時間に何してるの?」





大方、何か悪い事でもしているんだろうけど。



私がそう言うとジンは、少し笑って、




「さぁな」




とだけ言った。




「お前こそ、何してたんだ」



「私は仕事帰りだよ?」



「……」



「え、聞いといて無言?」





酷い…とポツリと口に出すと、ジンはまたふって笑って頭を撫でてきた。




するとその時、空き地の入り口の方で、



「アニキっ!」



と呼ぶ声が聞こえた。




そっちの方を見ると、ジンと同じく黒ずくめの、サングラスをかけたガタイの良い男の人がこちらを見ている。




その声に反応したジンは、すっと立ち上がると、また私の手を引っ張って男の人の所まで連れて行った。





「ア、アニキ…。この女、誰ですかい?」



「…先程知り合った怪力女だ」



「ちょ、ちょっとジン…!
まだそれ言うの…⁉」





私は慌ててジンに反抗すると、くるっとサングラスの人に向き直り、挨拶する。





「え、えと、西条Aです。
よろしくお願いします」



「は、はぁ……」



「A、こいつはウォッカだ。
敬語は外せ」



「ア、アニキ…⁉」



「何だ。文句あるのか?」



「いやありやせんけど…。その、いいんですかい?」





ウォッカさんはチラッと私を見ると、言いにくそうにジンに尋ねる。




「何も組織に関する事はいってねぇ。
こいつとは、組織とか関係なく接する」




「わ、分かりやした…。あ、じゃあAさん…」




「Aでいいですよ?」




「あ、へい…。じゃあAも、ウォッカでいいですぜ。アニキも言ってたように、敬語も外してくだせぇ」




「うん、分かった」






にこって笑うと、頬を染めたウォッカ。



何故かジンが隣で舌打ちしてたけど。





二人が何者かよく分からないけど、二人とも根は優しそうだし、仲良くなれて良かった。






「A、家まで送る。車に乗れ」



「え、大丈夫だよ?」



「さっきみたいなのがまた来たらどうするんだ」






心配してくれてるのかな?



助けてはくれなかったけど……。





でも、本当に送ってもらわなくて大丈夫だった。



だって………。




「ジン、本当に大丈夫なの。
家……すぐそこだし……」



そう言って空き地のすぐ隣の家を指す。




ジンはしばらく黙った後、


「……またな」


と言って車で帰って行った。

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かっぱの子(プロフ) - ユナ さん» わわ!ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 640bd631ad (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - すいません。名探偵コナンの世界を歩く、で、10話に間違いを見つけました!!ウォッカの、じゃあ、がしゃあになってます。直してくれると嬉しいです!これからも応援しています!頑張ってください (2018年9月16日 23時) (レス) id: e9274eb305 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - とても面白かったです! これからも頑張って下さい (2018年5月3日 12時) (レス) id: 632895b9bd (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - みらいさん» お返事遅くなって申し訳ありません…!それは夢主ちゃんの過去に関係があります…がまだコナンの方ではあまり詳しく過去について書けていませんね…。これから少しずつ過去も書いていこうと思うので、お待ち下さい…! (2018年3月24日 12時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年4月21日 22時

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