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▽自分たちのペースで:Fuji ページ3

いつの間にいたのだろうか。放心状態になっていたせいで全く気付いていなかった。

__それに、さっきまで私の頭の中でぐるぐると回っていた言葉のせいで、彼の顔を見ると緊張してしまうのに…。なんてタイミングなんだ。

「ノート、一つもとってなかっただろ?はい。俺の貸してやるから。もうぼーっとするんじゃない ぞ?」
「あ、ありがとう…!」
「どういたしまして。あっ、俺今からちょっと用事あるから、じゃあな。」

そう言ってフジは教室から出て行ってしまった。



「わぁ、ノート、すごいきれい…。」

早速フジのノートを見て出た一言だ。本当に、びっくりするくらい綺麗にまとめてある。
私がノートを書いていなかったから、私がその後便利になるようにまとめてくれているのかな、なんて思ったり。

思えば私は、フジのこういう人に優しくしたり、親切する所が好きで付き合ったんだっけ。
どんな人にも平等に優しくして、そういう所がとてもかっこよくて…

「!!な、な、なんでこんな事考えちゃうの!?あーもう!!絶対今日の帰り、フジに作戦実行してやるんだから!!はぁ、今日の私変だ…」

普段考えたりしなかったことを考えてしまう悔しさと、キヨのあの一言への怒り。

__それと同じくらい、胸の鼓動が止まらなかった。



まだ五時半だというのに、辺りはすっかり暗くなっている。
星がぽつぽつ、と輝く空の下で、私とフジは二人っきりで帰途についていた。

「…。」

いつもなら普通に喋れるのに、今日はなんだか作戦の事を意識してしまって何も喋れない。
そんな私を見て、フジが何かを気付いたかのように口を開いた。

「A、今日誰かに何かされた?ねぇA、何かあったら俺に言うんだぞ?」

そう言いながら私の頭を優しく撫でるフジ。その手付きはあったかくて、思わず彼の事を抱きしめたくなるような__

「!?ちょ、A!?こら!やめなさい!!」

ふわふわ、いい匂いがする。とても恥ずかしいのに、ずっとこのままでいたい。そんな気持ちになるようなくすぐったい匂い。

私がぎゅっ、と抱きしめる力を少し強くすると、フジの心臓の鼓動も早くなる。

しばらくするとフジは限界だったのだろうか。顔を真っ赤にしながら私に言った。

「ねぇA、今日ほんとなんかあった?全部俺に話してよ…
俺何も知らないまま恥ずかしくなってるでしょ…?ドッキリか何か?ねぇ、」

どうやら作戦は成功したようだ。

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まめお(プロフ) - Rua@五男さん» あーーー誰かと思ったらきみか!!!!!!え!?!?嘘でしょ!?ヒョエー!!描いて!!!ワーー!!(発狂)たぶん今回のkyくんの話もダラダラ続くと思うけど気長に更新待っててね~(*^o^*)今までこんなに更新続いたのこれが初めてだから…!これからも頑張るコメあり (2016年5月19日 23時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)
Rua@五男(プロフ) - まめおちゃ頑張ってな  また絵描くから!! (2016年5月19日 20時) (レス) id: 6b15d7bd5f (このIDを非表示/違反報告)
まめお(プロフ) - ☆mio☆さん» ヒエェーーさっそくありがとうこざいます、大変参考になります!個人的にはまだまだ妄想し足りないのでこれからもずっと書き続けたいですね!キエエ表示されてませんか…!!ご報告ありがとうございました!もう一度申請し直してきます、ご回答ありがとうございました! (2016年4月10日 17時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)
☆mio☆(プロフ) - コメント失礼します。質問の答えなのですが、,△まで小説なので作者様が書きたいのであれば全然大丈夫だと思います!∪擇覆て良いお話でした!私は大丈夫だと思います!い海舛蕕良垓餽腓もしれませんが、私は表示されていません。 長文失礼しました! (2016年4月10日 16時) (レス) id: cc069af633 (このIDを非表示/違反報告)
まめお(プロフ) - だんごさん» わーーーーーありがとうございます;;;;;;hrくんがただひたすらに可哀想なだけのものを目指してたので非常にうれしいです;;;次は幸せにさせるつもりですのでどうか引き続き応援よろしくおねがいします><////コメント大変励みになりました…!!!!;;;;; (2016年3月31日 12時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年1月1日 20時

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