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▽君への贈り物:Kiyo ページ12

「…で、できた!」
「やっとかよ…てかうまそうだな」
「大丈夫!キヨくんにもあげるから!焦げた失敗したやつ!」
「いらねえよ…」

あの後、俺とAでようやく作れそうなレシピを見つけ、早速ケーキを作ってみた。

俺もちょくちょく手伝ってみたが、ほとんどAが頑張って作ってたから、愛がこれほどかと言うほどたっぷり詰まっているのだろう。

「自分でもこんなにうまく行くと思ってなかった!フジ君、喜んでくれるかなあ…?えへへ」
「…そうだな」

まただ。

最近なんだかおかしい。
Aを見るとちょっとぽかぽかあったかい気持ちになるし、Aがフジの事を嬉しそうに、幸せそうに話すたびに心がちくっとする。

「キヨ君?」
「うぉあ!?…ごめん、ぼーっとしてたわ」
「そっか、じゃあ!これキヨ君に!!焦げてないやつ、もっかい作ったの」
「え…」

手渡されたのは、かわいいラッピングがされている袋。
中を見ると、焦げてない美味しそうなチョコケーキが入っていた。

Aが、俺に…?
なんでなんだろう。またあったかくて、甘い気持ちになる。
俺はそんな気持ちを必死に堪えながら、「ありがとな」と言ってそれを受け取った。



「もうそろそろ帰るわ。告白がんばれよ?」

そう言って家に帰ろうとしたとき、Aは俺を引き留めた。

「キヨ君、私こんなケーキじゃ足りない。足りないくらいキヨ君にお世話になったよ!
また今度何かおごるし、そうだ!フジ君と三人で遊びに行ったりとか…!

もし、つきあえたら、だけどね。告白、がんばる!!」

照れながらそう言うAは、とても可愛かった。

待て。

…か、かわいかった…可愛かった!?!?!?
嘘だろ…!?!?!?俺が!?Aを!?かわいいと思った!?

「?どうしたの?顔が…」
「な、なんでもねえよ!!!!じゃあな!!!!」

バタンとドアを閉め、俺は全速力で家へと帰った。



その日の夜、俺は自分の部屋で絶望感に浸っていた。

「嘘だろ…」

今思えばそうだ。Aを見ると心がぽかぽかするのも、フジの事を想っているAを見たら胸がちくってなるのも、

Aの事を「可愛い」って思ってしまうのも。

__俺はAの事が好きになってしまったんだ。

こんな感情、絶対に抱いてはいけなかった。それは俺自身が一番理解していたことだ。
それなのに、それなのに…。

「A…」

フジなんかじゃなくて、俺にしてくれればいいのに。

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まめお(プロフ) - Rua@五男さん» あーーー誰かと思ったらきみか!!!!!!え!?!?嘘でしょ!?ヒョエー!!描いて!!!ワーー!!(発狂)たぶん今回のkyくんの話もダラダラ続くと思うけど気長に更新待っててね~(*^o^*)今までこんなに更新続いたのこれが初めてだから…!これからも頑張るコメあり (2016年5月19日 23時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)
Rua@五男(プロフ) - まめおちゃ頑張ってな  また絵描くから!! (2016年5月19日 20時) (レス) id: 6b15d7bd5f (このIDを非表示/違反報告)
まめお(プロフ) - ☆mio☆さん» ヒエェーーさっそくありがとうこざいます、大変参考になります!個人的にはまだまだ妄想し足りないのでこれからもずっと書き続けたいですね!キエエ表示されてませんか…!!ご報告ありがとうございました!もう一度申請し直してきます、ご回答ありがとうございました! (2016年4月10日 17時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)
☆mio☆(プロフ) - コメント失礼します。質問の答えなのですが、,△まで小説なので作者様が書きたいのであれば全然大丈夫だと思います!∪擇覆て良いお話でした!私は大丈夫だと思います!い海舛蕕良垓餽腓もしれませんが、私は表示されていません。 長文失礼しました! (2016年4月10日 16時) (レス) id: cc069af633 (このIDを非表示/違反報告)
まめお(プロフ) - だんごさん» わーーーーーありがとうございます;;;;;;hrくんがただひたすらに可哀想なだけのものを目指してたので非常にうれしいです;;;次は幸せにさせるつもりですのでどうか引き続き応援よろしくおねがいします><////コメント大変励みになりました…!!!!;;;;; (2016年3月31日 12時) (レス) id: fa42799721 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年1月1日 20時

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