酔いが覚めたら。Hikaru.Y

《12》 ページ12

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あの日飲み会の後の出来事。


光さんと私しか知らない秘密……





そして今日もまたひとつ、



クマさんのハンカチ
っていうふたりだけの秘密が増えた。




.






A ｢あ…！｣



エレベーターの閉ボタンを押そうとした時

慌ててこちらに向かってくる人影が見えたからすぐさま開ボタンを力強く押した。






光 ｢よしっセーフ！｣



A ｢危なかったですね｣




肩が上下に小さく動いてて、走って来た様子。


髪もネクタイも乱れてるのが子供っぽい無邪気さを感じた





A ｢光さん、ネクタイも｣


余った片手で髪を整えていたけれど、

歪んだネクタイには気付いていなかった。



.






A ｢ん、？｣



光 ｢やって？｣




光さんは私の手を
自分のネクタイ辺りに持ってきた




光 ｢はやくしないと着いちゃう｣





そう言って時間稼ぎの為か

全く関係の無い2階のボタンを押す光さん。





なにがなんだか分かんなくてとりあえずネクタイを元に戻して顔を上げた。


.





A ｢光さん…｣



光 ｢ノーコメントで！｣



ポーンと高い音を立てて2階に止まったけれど、もちろん乗る人は誰もいなくて


再び1階に降り始めるエレベーター。









光 ｢ごめん、変な事した｣



A ｢全然です、！｣




2人でいるこの時間がどこか緊張しい。


けれど微笑みながら言ってくれるからなにもまずい事じゃ無いんだろうとは予想がついた








光 ｢お菓子もハンカチもありがと｣



A ｢いえ！｣



光 ｢それじゃまた明日ね｣





ばいばいって手を振るけど、



ひとつだけ気になること…………







.







ねぇ、光さん。



頬をほんのり薄紅色に染めるのはどうしてですか？

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