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頭はぼーっとしたままドアを開ける。
がちゃん、という音がして見てみると自転車を押して出てくる那須くんがいて、私は慌ててドアの影に隠れた。

しばらくするとペダルを漕ぎ出す音がしてその音はだんだん遠のいていく。
私はため息をひとつついた。

「明日からは早く家出なきゃ」



学校に着き、下駄箱で上履きに履き替えていると背の高い人影が通り過ぎる。

ふと隣を見ると浮所くんがいた。
私は昨日のことを思い出して体温が上がる。

話しかけるのを躊躇っているとすぐに彼は私に気づいた。


「あ、おはようA」


「お、おはよう」


「...その、昨日はごめん」


「だ、大丈夫だよ」


明らかに不自然な受け答えに浮所くんは苦笑いした。
少し気まづいなと思いつつも行き先は同じ教室なので私達は一緒に歩く。

けれど私たちの間に流れるのは沈黙ばかりで
頭の中はグルグルといろんなことを考えていた。


「忘れて」


先に口を開いたのは浮所くんだった。


「え、?」


「昨日のことは、」


昨日のこと、、


「あ...うん」

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作者名:ちょこころね | 作成日時:2018年12月23日 8時

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